「今どきの歴史」 第二回を巡って 2/7
私の見立て★★★☆☆ 2017/10/23
6世紀の古墳時代と言うが、奈良盆地の古墳開始は、堅実な見方で4世紀初頭と言われている。
その場所からこの場所に、ほとんど2世紀かけて、古墳造成技術と技術者集団が展開したと見るなら、同様に、馬の技術も、長い期間をかけて伝わったと見るべきではないか。
*倭人首長
また、教授は唐突に、ぽんと「倭人」の首長を持ち出して、この人は「副将格」と言うが、どうやって支配組織を確認したのだろうか。素朴な意見として、馬を飼うことに専念する集落はその全体が、渡来人集団だった可能性はないのだろうか。「主将」、ないし「首長」は何者か、判断の根拠はあるのだろうか。
多くの馬を育てて増やしていくというのは、当時、その地域で未踏技術だったから、よろい武者は、絶大な力を持っていたのではないだろうか。
だから、教授も、先立つ部分で「為政者」として、敬意を払っているのであろう。
そりゃそうである。単に馬飼職人であれば、配下の者に、貴重な馬を避難させるように先頭に立って指示するものであり、危険な方に向かって進むことはないのである。
いずれにしろ、「為政者」とは、首長のことではないのだろうか。専門家集団が、専門知識に欠ける素人をいただいていたとは思えない。
*逃げない意気込み
教授は、「よろいは暑くて重い」とにべもないが、当時夏であったとしても、噴煙、噴石があれば、災害の現場に出向く際によろいで身を固めるのは当然である。志のない俗人には、志のある武家の心情を、推察すらできないのだろうか。もったいないことである。
大体が、よろいもかぶとも、そして佩刀も、普段から耐えがたいほどに重いが、だからといって、戦いの場で、素で立ち向かうわけには行かない。
未完
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