« 今日の躓き石 毎日新聞 ドラフト主役に送る『リベンジ』の烙印 | トップページ | 「今どきの歴史」 第二回を巡って 1/7 »

2017年10月23日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞の「オールラウンダー」大安売り

                          2017/10/23
 今日の題材は、毎日新聞大阪朝刊スポーツ面のスピードスケート報道である。
 距離別で、最短郷里から、中距離まで総なめした偉業を「オールラウンダー」と軽くいなしているのは、気の毒である。

 言い方が悪いかも知れないが、距離の刻みがあって分かれているが、スピードスケートは、所詮早く走るのが唯一の指標である競争であり、急に何かが変わるわけではないと感じる。切れ目があるのであれば、その前後を区切れば、それぞれではっきり違いが見えると思うのである。

 いや、そんなバカなことを言うのは、「オール」と言う冠が付いているからである。少なくとも、三分野以上で揃って優れていなければ、「全部」優秀とは言わないだろう。

 因みに、体操競技の報道では、担当記者が「複数の種目」で優秀な選手を「オールラウンダー」と呼ぶのだと息巻いていたが、それにしても、「全」6種目あるのだから、その過半数、つまり4種目で優秀、他は、それに次ぐ好成績でなければ、総合して高い得点が得られないはずであり、また、一般読者の納得も得られないはずである。
 過去の記事の流れでは、全能王者だけが「オールラウンダー」とされているようであり、これに近い成績の選手を大量に(つまり二人以上か)養成することが、各国(中露二国に加えて複数の国のことか)で急務とされているとの報告も、出所も当否不明だが、断定口調で書かれていたである。
 現に、二種目で抜群の成績を示しても「オールラウンダー」かどうかの審議に登っていないようなのである。「オールラウンダー」が、他の追従を許さない偉業なのか、単なる器用貧乏、何でも屋のできすぎなのか、いまだに、明らかにされていないのである。

 このように、毎日新聞のスポーツ報道という大変狭い世界でも、「オールラウンダー」と言う、素性の悪いカタカナ語の使い方は、大きく揺らいでいるのである。記者同士で意味が揃わないのだから、一般読者が理解に大いに苦しむのは当然である
 全国紙の取るべき態度とは思えない。

 元に戻って、「オールラウンダー」と言う言葉は、できの悪いアメリカのスポーツジャーナリストが、「オールラウンドプレーヤー」というまっとうな言葉を、文法無視の言いはしょりをしたのを、英語のよくわからない日本人が、意味もわからないままに使い散らしているのであり、毎日新聞ほどの伝統ある全国紙の記者が、ちゃんと理解しないまま悪乗りしているさまは、もったいないと思うのである。

 今日の報道用語で厄介なのは、カタカナ語の無秩序な使い回しである。いや、スポーツ界のように下世話な分野から、学術や政治のような高度な分野まで、一般読者がよく知らないカタカナ語で、一発脅かそうとしている向きが多いのである。別に、珍しいことではないし、大昔からあったことである。

 それにしても、事情をよくわかっていないかたが「和製英語」などとくくっているが、出所不明、言語不明のカタカナ語が、堂々たる英語になるはずはなく、せいぜいが、単に、無教養な言い間違いに過ぎないのである。英語由来でまっとうな言葉、知らない方が悪い、と錯覚させようとしているから、まやかしには注意することである。
 何とか、程度の低いインチキ言葉の蔓延を防いで欲しいものである。せめて、蔓延を手伝わないで欲しいのである。

 言うまでもないが、当記事が公開されたからと言って、それこそ、大海の水を手桶で汲んで減らそうとするようなものだが、書かなければ、何も起こらないと思うから、しつこく、そして、丹念に書いているのである。

以上

« 今日の躓き石 毎日新聞 ドラフト主役に送る『リベンジ』の烙印 | トップページ | 「今どきの歴史」 第二回を巡って 1/7 »

今日の躓き石」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今日の躓き石 毎日新聞の「オールラウンダー」大安売り:

« 今日の躓き石 毎日新聞 ドラフト主役に送る『リベンジ』の烙印 | トップページ | 「今どきの歴史」 第二回を巡って 1/7 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

カテゴリー

  • YouTube賞賛と批判
    いつもお世話になっているYouTubeの馬鹿馬鹿しい、間違った著作権管理に関するものです。
  • ファンタジー
    思いつきの仮説です。いかなる効用を保証するものでもありません。
  • フィクション
    思いつきの創作です。論考ではありませんが、「ウソ」ではありません。
  • 今日の躓き石
    権威あるメディアの不適切な言葉遣いを,きつくたしなめるものです。独善の「リベンジ」断固撲滅運動展開中。
  • 倭人伝の散歩道 2017
    途中経過です
  • 倭人伝の散歩道稿
    「魏志倭人伝」に関する覚え書きです。
  • 倭人伝新考察
    第二グループです
  • 倭人伝道里行程について
    「魏志倭人伝」の郡から倭までの道里と行程について考えています
  • 倭人伝随想
    倭人伝に関する随想のまとめ書きです。
  • 動画撮影記
    動画撮影の裏話です。(希少)
  • 古賀達也の洛中洛外日記
    古田史学の会事務局長古賀達也氏のブログ記事に関する寸評です
  • 名付けの話
    ネーミングに関係する話です。(希少)
  • 囲碁の世界
    囲碁の世界に関わる話題です。(希少)
  • 季刊 邪馬台国
    四十年を越えて着実に刊行を続けている「日本列島」古代史専門の史学誌です。
  • 将棋雑談
    将棋の世界に関わる話題です。
  • 後漢書批判
    不朽の名著 范曄「後漢書」の批判という無謀な試みです。
  • 新・私の本棚
    私の本棚の新展開です。主として、商用出版された『書籍』書評ですが、サイト記事の批評も登場します。
  • 歴博談議
    国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は歴史学・考古学・民俗学研究機関ですが、「魏志倭人伝」関連広報活動(テレビ番組)に限定しています。
  • 歴史人物談義
    主として古代史談義です。
  • 毎日新聞 歴史記事批判
    毎日新聞夕刊の歴史記事の不都合を批判したものです。「歴史の鍵穴」「今どきの歴史」の連載が大半
  • 百済祢軍墓誌談義
    百済祢軍墓誌に関する記事です
  • 私の本棚
    主として古代史に関する書籍・雑誌記事・テレビ番組の個人的な読後感想です。
  • 纒向学研究センター
    纒向学研究センターを「推し」ている産経新聞報道が大半です
  • 西域伝の新展開
    正史西域伝解釈での誤解を是正するものです。恐らく、世界初の丁寧な解釈です。
  • 邪馬台国・奇跡の解法
    サイト記事 『伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」』を紹介するものです
  • 陳寿小論 2022
  • 隋書俀国伝談義
    隋代の遣使記事について考察します
無料ブログはココログ