今日の躓き石 消えない汚染語彙 毎日新聞囲碁記事の「リベンジ」
2017/10/16
本日の題材は、毎日新聞大阪朝刊第12版「くらしナビ」面の囲碁将棋スペシャルコラムである。
囲碁記事の週であるが、国内第一人者の参戦した世界ペア囲碁のちょっと軟らかな話題で、担当記者の気が緩んだのか、元々緩んでいるのか、和やかな記事というなだらかな散歩道に、失言が躓き石として埋め込まれている。素足なら、足が血まみれになっているところである。
いや、厳しかるべき囲碁ジャーナリストが、第一人者の言葉として「リベンジ」を引用報道しているのは、困ったものである。
囲碁界の第一人者、絶対王者も、まだまだ若いから、この言葉を口にするとき、世界に蔓延する血なまぐさい復讐連鎖は、意識に浮かばないのだろうから、言葉の選び方を誤って、禁句を口に出したのかも知れないが、報道のプロが、そのような忌まわしい言葉をそのまま紙面に載せているのは、どういう意図なのか、まことに理解に苦しむ。
悪意に取るなら、第一人者は、言葉遣いがお粗末だと報道しているのだろうか。そういう人格攻撃の意図なら、まことに陰険である。(スポーツ面には、そうした悪意を見てしまいそうな失言記事が珍しくないので、そう思うのである)
これは、まことに嫌みな言い方だが、当事者が気分を害して二度と「リベンジ」などと書かないで欲しいという切なる気持ちが言わせているのであるから、別に、この下りに反論して貰う必要はない。この言葉を批判する記事を書き始めてずいぶん経つのだが、こうしてみると記者達の内面にずいぶん深くしみこんだ言葉だから、無意識に近いかたちででてしまうのだろうが、無意識で口に出すから、事は深刻なのである。
因みに、当方のなじんでいる将棋ジャーナリズムは、専門紙に安直な「リベンジ」が多発して、情けないと思ったものであるが、同紙には「ご意見無用」(謝絶ではなく、記事に批判する奴は、門前払い)の輩が横行していて、紙として批判に耳を貸さない風潮だったから聞き入れなかったのだろうし、同紙が(実質上)廃刊になってからは、毎日新聞の紙面でしか目にしないから、廃語との遭遇機会はずいぶん減ったのである。
以上
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