「今どきの歴史」 第二回を巡って 4/7
私の見立て★★★☆☆ 堅実な紹介 2017/10/23
*最先端技術の怪
「今どきの」の触れ込みに相応しいのが「当時として最先端技術だった馬の生産」なる、まことにけったいな言い回しであるが、これは、記者の頭のねじが、何カ所かで外れているせいらしい。
と言うことで、以下(記者の?)失言を肴に持論を展開させていただく。
*馬の生産という怪談
「馬の生産」とは、当時クローン複製技術があったかと勘ぐりたくなる言い回しである。
人と馬との関わり合いというと、家畜としての馬は生産するものでなく、せいぜい、飼い育てる、つまり、人に慣らし、苦役に耐えるよう訓練するものと思うのである。
*最先端技術という怪談
また、ここで「最先端技術」とは、これまたけったいな言い方であり、当時の「技術」の進み具合をだれがどう見定めたか知らないが、この地域に新たに伝わった、くらいの穏当な言い回しができないものか。しかも、記事の言い方では、「最先端技術だった馬」と読めないこともないから、一瞬読み足が躓きかけて、立ち停まるのである。
ここは、時代錯誤と言うだけでなく、勘違いが漂っていて「眉唾」である。受取りようによっては、教授の信用が地に落ちるのである。
*馬飼の技術移管
中原世界では、商(殷)王朝期に、少なくとも、馬車戦車が造られていたことは確かのようであるから、既に野生馬ではなく飼い馬だったと思うのである。
つまり、飼い馬は、太古以来知られていたのである。また、6世紀初頭まで列島内に馬を育てる「技術」が皆無であったとは思えない。少なくとも、未踏の超絶技術ではないと思うのである。
当時半島にそのような技術があったかどうか示されていないので困るのだが、半島南部のどこであれ、南に馬を引き連れて渡海可能な範囲に、馬を飼う人々がいたとしなければ話が続かない。
多分、半島内には、以下に述べるような南遷に適した土地が無かったので、短期滞在だけで、さっさと渡海したのかとも思う。
未完
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