今日の躓き石 彼岸に送られる大型新人 超新星
2017/11/22
今回の題材は、毎日新聞夕刊の将棋欄である。
いや、ここで葬送曲を奏でられているのは、両対局者ではなく、目下最大の輝きを放っている大型新人である。
観戦記のついでに、「超新星」なる冠をかぶせられているが、これは、葬送のいばらの冠である。それは、この言葉の由来を尋ねれば、直ぐわかる。
超新星とは、老いた恒星が、数十億年という星の一生の最後の最後に放つ一瞬のまばゆい光芒である。一瞬というのは、数十億年に比べての事だが、なにしろ、星全体が、あるいは光や熱に変わり、あるいは、蒸散して飛散するのであるから、長続きしないことは明白である。
そして、後に残るのは、燃えかすかブラックホールである。
当世風に言えば、「レジェンド」、生ける骨董品である。
折角の大型新人に、そのような無残な呼び名をかぶせて良いものだろうか。
所詮、将棋の観戦記は、世界の片隅の、特定の少数が見るものであるが、だからといって、全国紙の紙面に載せて良い言葉とは思えない。観戦記といえども、商用著作物なのだから、使う言葉は、普通以上の吟味、つまり、ちゃんと咀嚼して味わった上で、客に出して欲しいものである。
当方のブログは、素人の無償の暇つぶしであり、公開していても閑として散という状態で、書いても、読む人もいないのは見えているが、それでも、精一杯書いているのである。
せいぜい、プロの物書きは、言葉の拾い食いは辞めて、自分として責任の持てる言葉を使って欲しいものである。
因みに、これは、観戦記者のせいではないのだが、夕刊をみると、とんでもない幼児語が見出しにでていて、呆れるのである。
一国の国の大統領が辞任しても、世界の歴史の流れは小揺るぎもしないし、当の大統領が過去に成した行いは、消えて無くなるわけでもない。
歴史は変わらない、悠久不変だという、それこそ不変の真理が、全国紙の紙面で踏みにじられているのを見るのは、情けないものである。人生、歴史の大安売り、押し売りは、ご勘弁いただきたい。
観戦記者も、観戦記のちょっとした書き間違いで、ここでお説教されるのにとどまっていれば、むしろ幸せである。
歴史が変わったなどと、荒唐無稽の小児語彙をまき散らして、世の心ある人の誹りを浴びるよりは、随分ましなのである。
歴史が変わったなどと、荒唐無稽の小児語彙をまき散らして、世の心ある人の誹りを浴びるよりは、随分ましなのである。
以上
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