新・私の本棚 番外 諸説あり! 「女王・卑弥呼の正体」 1/4
BS-TBS ▽邪馬台国2時間スペシャル!
私の見立て★☆☆☆☆☆ 参考のみ 2017/12/25 2019/04/21
今回、BS-TBSの卑弥呼番組(6/10放送分)を再見して、話の筋が躓き続きで足腰がガタガタです。諸説とはトンデモ提言のことなのでしょうか。古代史分野では、定説すらしばしば脱輪して暴走しているのに、そこから、更に踏み外した異常な説を物々しく提案されても、ついていけないのです。
批評だけ出回るのは感心しないので、意見発表を自粛していましたが、当番組は、17年末に再放送予定なので、確認いただけば良いと思います。
*放送予定 BS-TBS 2017年12月30日よる10:00~
諸説あり!▽邪馬台国2時間スペシャル!後半「女王・卑弥呼の正体」
*怪説連発―立証説明無し
以下の所説は、あやふやな根拠が示されるだけで、全て提唱者の言いっぱなしです。つまり、丁寧に論証・説明されていません。
例えば、卑弥呼が魏志倭人伝にしか登場しないとは、完全に誤解であり、時代順で言うと、まず、後漢書に書かれて、一見初出と見られるのです。
卑弥呼の字が、中国側の聞き取りというのも、浅慮の誤解、と言うか、決めつけすぎです。なぜ、自称したと解釈できないのか、理解に苦しみます。せめて、現地事情に詳しい帯方郡と相談したと見るのが、筋の通った見方と思います。
無神経に「定説」と称していますが、卑弥呼が、呪術を駆使したとか、六十年在位したとか、老齢であったというのも一個の異説に過ぎず、浅慮の誤解かと思われます。文献にないことを現代の作り話で埋めたと思われます。
*導入部 束の間の快適さ
当番組の堅実さは、冒頭の平原遺跡紹介に現れていますが、呪力云々と口にしたために、以下、番組の花道を、平原墳墓に関係のない三角縁神獣鏡魔鏡説に盗まれていて、まことに気の毒です。
⑴ 魔鏡の怪
本番組の「愚説」の極めつきの一つが「魔鏡」です。(下には下があるか)
愛知県犬山市の東之宮古墳の遺物である古鏡のレプリカを作って実演していますが、先ずは、同類の古鏡の数百枚あるとされるものの一枚に過ぎないのではないでしょうか。古代の鋳造技術で、意図通りのものが大量に作れたとは、到底思えないのです。
たまたま、やり玉に挙がった一個が、仕上がりの加減で、そのように見えただけであり、そのような意図で製作されて、その通りにできあがったたかどうかは、不明としか言いようがないのです。
未完
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