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2017年12月18日 (月)

私の本棚 季刊「邪馬台国」 131号 私の古代史論 2/6

 塩田泰弘 魏志が辿った邪馬台国への径と国々

         私の見立て★★★★☆      2017/12/18 2019/01/29

*適切なおおざっぱさの認定
 論文著者は、冒頭で、倭人伝道里が、一里八十九㍍という精密な数値を提唱しているが、倭人伝記事は、有効数字が一個あるかどうかと言うおおざっぱな里数、戸数の概数ばかりであるから、そのようなおおざっぱな数字を㍍単位に換算して二桁精度の数字が確認できるとは思えない。
 對海国の方四百余里(約四百里。以下同じ)に相当する㍍系表示は、同様のおおざっぱさで言うと四十㌖角であり、一大国の方三百余里は、三十㌖角となる。(約を省略)

*全部実測ではなかった
 現代になって当時なかった実寸測定して㌖単位で論じても無意味である。現代人の目で、境界がはっきりしていても、当時測量しなかったので、判断に利用できないと見るべきである。
 韓伝記事をもとに韓地は方四千余里としても、当時、海岸から海岸などの四角形の辺を測量したわけではない。先の二件より高い精度が期待できたとしても、実測値でないので、三百五十㌖角程度と三百㌖角程度のどちらが近いのか、知るすべはないのである。
 一覧表右端の計算値に差異があるのは、大抵の場合、表示された里数が、どの程度の確かさを持っているかの見極めを怠っているからである。
 つまり、帯方郡の測量技術に拘わらず、測量したものと目測に頼ったものと、そして、良い意味で好い加減の概算をしたものと、各種各様の数字が混在しているのを、機械的に比較、平均したからである。
 どんなに高度な光学機器があろうとも、測定しなければ、その機能を発揮できないのである。

*倭国内は実測不在
 結論を言ってしまうと、更に進行した九州島内では、韓国内より測量が遅れていて、末羅国と伊都国間のように、頻繁に利用した比較的短い経路は測量されたかも知れないが、それ以外は、実務に関係ないから、やまかんでしかないのである。

未完

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