« 今日の躓き石 アメフット界+毎日新聞「リベンジ」汚染報道続く | トップページ | 私の本棚 季刊「邪馬台国」 131号 私の古代史論 1/6 »

2017年12月18日 (月)

今日の躓き石 「危機感」にみる日本語の崩壊

                                2017/12/18
 今回の題材は、何処かのメディアの失言、暴言を指摘するものではない。流行語の風潮を示したものである。

 この記事を書いたきっかけは、流通大手のトップが公の場所で、ネット通販大手の台頭に「危機感」を示したという報道である。自社の緊迫した経営環境を、トップがどのように認識しているかを、あえて表明したのであるが、それが、「..感」とお上品に表現されていて、何とも、忌々しいものと感じた。いや、誰が言ったと言うことでなく、当世風に表現されたものであろうから、個人攻撃や特定のメディアの攻撃ではない。「当世風」に対する反発である。

 同社は、眼前に立ち塞がる「危機」に直面しているのであり、これは物理的(フィジカル)な実体はないとしても、経営のプロにとっては、観念(メンタル)の産物などてはなく、情感(エモーション)の切迫でもなく、間違いなく現実の問題なので、公の場で「危機感」(怖いんです)などと澄ましていられるものではないと思うのである。
 泣きを入れて、救済を求めているのではなく、自身の闘志を示したはずである。

 メディアの常用する接尾語乱用で、語彙をぼやけさせる言葉遊びが、日本語を崩壊させ、当然、それが日本語による報道を崩壊させているのを見ている気がする。

 心ある報道者は、「感」、「的」、「意識」による粉飾を避け、実報道に徹してもらいたいものである。

 いや、訳のわからない演説をぶって、申し訳ないと思うが、これが、当方の芸風なのである。

以上

 

« 今日の躓き石 アメフット界+毎日新聞「リベンジ」汚染報道続く | トップページ | 私の本棚 季刊「邪馬台国」 131号 私の古代史論 1/6 »

今日の躓き石」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 今日の躓き石 「危機感」にみる日本語の崩壊:

« 今日の躓き石 アメフット界+毎日新聞「リベンジ」汚染報道続く | トップページ | 私の本棚 季刊「邪馬台国」 131号 私の古代史論 1/6 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー

  • YouTube賞賛と批判
    いつもお世話になっているYouTubeの馬鹿馬鹿しい、間違った著作権管理に関するものです。
  • ファンタジー
    思いつきの仮説です。いかなる効用を保証するものでもありません。
  • フィクション
    思いつきの創作です。論考ではありませんが、「ウソ」ではありません。
  • 今日の躓き石
    権威あるメディアの不適切な言葉遣いを,きつくたしなめるものです。独善の「リベンジ」断固撲滅運動展開中。
  • 倭人伝の散歩道稿
    「魏志倭人伝」に関する覚え書きです。
  • 倭人伝道里行程について
    「魏志倭人伝」の郡から倭までの道里と行程について考えています
  • 倭人伝随想
    倭人伝に関する随想のまとめ書きです。
  • 動画撮影記
    動画撮影の裏話です。(希少)
  • 古賀達也の洛中洛外日記
    古田史学の会事務局長古賀達也氏のブログ記事に関する寸評です
  • 名付けの話
    ネーミングに関係する話です。(希少)
  • 囲碁の世界
    囲碁の世界に関わる話題です。(希少)
  • 季刊 邪馬台国
    四十年を越えて着実に刊行を続けている「日本列島」古代史専門の史学誌です。
  • 将棋雑談
    将棋の世界に関わる話題です。
  • 後漢書批判
    不朽の名著 范曄「後漢書」の批判という無謀な試みです。
  • 新・私の本棚
    私の本棚の新展開です。主として、商用出版された『書籍』書評ですが、サイト記事の批評も登場します。
  • 歴博談議
    国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は、広大な歴史学・考古学・民俗学研究機関です。「魏志倭人伝」および関連資料限定です。
  • 歴史人物談義
    主として古代史談義です。
  • 毎日新聞 歴史記事批判
    毎日新聞夕刊の歴史記事の不都合を批判したものです。「歴史の鍵穴」「今どきの歴史」の連載が大半
  • 百済祢軍墓誌談義
    百済祢軍墓誌に関する記事です
  • 私の本棚
    主として古代史に関する書籍・雑誌記事・テレビ番組の個人的な読後感想です。
  • 纒向学研究センター
    纒向学研究センターを「推し」ている産経新聞報道が大半です
  • 西域伝の新展開
    正史西域伝解釈での誤解を是正するものです。恐らく、世界初の丁寧な解釈です。
  • 資料倉庫
    主として、古代史関係資料の書庫です。
  • 邪馬台国・奇跡の解法
    サイト記事 『伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」』を紹介するものです
  • 隋書俀国伝談義
    隋代の遣使記事について考察します
  • NHK歴史番組批判
    近年、偏向が目だつ「公共放送」古代史番組の論理的な批判です。
無料ブログはココログ