今日の躓き石 「危機感」にみる日本語の崩壊
2017/12/18
今回の題材は、何処かのメディアの失言、暴言を指摘するものではない。流行語の風潮を示したものである。
この記事を書いたきっかけは、流通大手のトップが公の場所で、ネット通販大手の台頭に「危機感」を示したという報道である。自社の緊迫した経営環境を、トップがどのように認識しているかを、あえて表明したのであるが、それが、「..感」とお上品に表現されていて、何とも、忌々しいものと感じた。いや、誰が言ったと言うことでなく、当世風に表現されたものであろうから、個人攻撃や特定のメディアの攻撃ではない。「当世風」に対する反発である。
同社は、眼前に立ち塞がる「危機」に直面しているのであり、これは物理的(フィジカル)な実体はないとしても、経営のプロにとっては、観念(メンタル)の産物などてはなく、情感(エモーション)の切迫でもなく、間違いなく現実の問題なので、公の場で「危機感」(怖いんです)などと澄ましていられるものではないと思うのである。
泣きを入れて、救済を求めているのではなく、自身の闘志を示したはずである。
メディアの常用する接尾語乱用で、語彙をぼやけさせる言葉遊びが、日本語を崩壊させ、当然、それが日本語による報道を崩壊させているのを見ている気がする。
心ある報道者は、「感」、「的」、「意識」による粉飾を避け、実報道に徹してもらいたいものである。
いや、訳のわからない演説をぶって、申し訳ないと思うが、これが、当方の芸風なのである。
以上
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