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2018年3月

2018年3月31日 (土)

今日の躓き石 小平選手の暴投と暴言 誰も止めないリベンジ

                     2018/03/31
 本日の題材は、ネット報道に基づくものであり、直接引用ではないので、後ろめたいのだが、「フェイク」でないと信じて、以下、苦言を述べる。

 当ブログ筆者は、女子スピード界の世界王者を大変尊敬していて、それだからこそ、ここで、率直に(in sincerity)いやなことを言うことをお断りしていく。

 暴投と暴言を並べて書いたが、プロ野球シーズン開幕の始球式で、投球が逸れたことは、なんでもないご愛敬である。バックネットに直接叩きつけたとか、バッターに危険投球したとかの暴投ではない。晴れ舞台と言っても、あくまで余興である。

 ここで、わざわざ問題としたのは、直後のSNSで「リベンジ」と暴言を吐いたと堂々と報道されていることである。いや、そのように報道しているのは、無頓着なネット系メディアと思うが、報道は報道である。

 この言葉は、普通の解釈では、ぶっ殺してやるとか、血祭りに上げてやるという言葉であり、SNSで説明無しに使われると、暴投を拾って恥をかかした誰かに仕返ししてやると宣言したと取られかねないのである。

 オリンピックのレース後の生インタビューで、つまり、止めようのない報道で、「リベンジ」と口走ったのが広く報道されて、メダリストにあるまじき恥さらしだったが、周囲の誰も注意しなかったようだ。

 暴言を暴言と知らないから、今回も本人の責任でない暴言だろうが、廻りに、それは言うなと忠告してくれる人がいないのも、ある意味、本人の器量の一部かなとも思うのである。世界王者には、発言を批判してくれる助言者を作ってもらいたいものである。

 本人は気づいていないようだが、一流のメディアは、こうした汚い、罰当たりの言葉は報道を避けているのである。気楽な友達相手のSNSなら、禁句満載の言いたい放題でもいいのだろうが、気のおけない友達相手の発言と思っても、世界に通じているので、不注意な失言は、取り返しが付かないのである。

 今回の記事も、多分、と言うか、ほぼ確実に当人の目に届かないだろうが、だからといって、無責任なSNSメッセージの類いでなく、あえて丁寧な指摘として公開するのである。

以上

2018年3月21日 (水)

今日の躓き石 『南米民謡「花祭り」』 検索混乱の解決策

                            2018/03/21
 ここでは、余り大げさなことは言わず、「商標権」めいたものを述べる。もちろん、この曲名が商標登録されているというものではない。
 南米民謡「花祭り」のタイトルに付いて、次のように「アンデスの花祭り」と呼ぶべきであるという私見を述べているだけである。
*曲の由来
 日本で、早くから、南米民謡「花祭り」としてとして親しまれている曲は、今風に言うと、アンデスのフォルクローレを代表する曲として親しまれています。

 現地では、エル・ウマウアケーニョ(スペイン語 El Humahuaqueño)として親しまれているとのことですが、これは、アルゼンチン北部の町「ウマウアカの」(人、あるいは、もの)という意味とのことです。
 「ウマウアカの谷にお祭りが来るよ、チョリータ」と若い女性に呼びかける歌詞が、軽快な音楽に合わせて陽気に歌われているとのことです。
 (曲の由来について、ウィキペディア 「花祭り (楽曲)」を参考にしました。)
 と言うものの、一般的な日本人には、スペイン語の理解は難しいので、親しみやすい曲名を採用したのは、無理からぬ事と思います。

*仏教行事 「花祭り」
 一方、東洋の日本では、キリスト教の「カーニバル」(カルナバル)はさほど知られていなくて、「花祭り」と言えばお釈迦さまの誕生を祝う仏教の一大行事、灌仏会(かんぶつえ)に決まっているのです。

 灌仏会は、日本では毎年4月8日に行われ、参列した信者達が、甘茶を満たした灌仏桶の中央へ安置した誕生仏像(お釈迦様の赤子姿)に柄杓で甘茶を掛けて、誕生を祝うものです。

 灌仏会は、その名のように大変厳めしいものでしたが、明治時代に親しみやすい「花祭り」の呼び方がはじまり、甘茶かけが一気に広がったようです。

*折り合いの付け方
 つまり、「花祭り」は、大変聞き心地の良いタイトルですが、現代的な言い方をすると、伝統的な仏教行事の通称(商標)を無断利用したものなのです。

 このような場合、後から来たものは、誤解を防ぐために「アンデスの花祭り」五文字足すような自主的な配慮を怠らないものですが、なぜか、現在は、宗旨が違うとは言え、完全に「花祭り」が重なっていて、検索を混乱させて、大変な迷惑を掛けています

 言い古された言葉ですが、過去半世紀近い既成事実は大変重いものがありますが、未来は滔々と続いているので、このような混乱を後世に持ち越すのは申し訳ないと思います。
 今からでも遅くはないので、うまく折り合いを付けて欲しいものです。

以上

2018年3月 5日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞に良心なし 「リベンジ」横行の醜態

                          2018/03/05
 今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊第13版スポーツ面右上、つまり、面トップの見出しである。

 人名に続いて「リベンジ」とだけあるが、第一に、この見出しだけでは、大抵の読者は、誰が何をしたのか、皆目わからない。

 続いて、縦見出しに「脱皮」とあるが、何のことかわからない以上、これでは、何の競技の誰がどんな古着を脱ぎ捨てたか、皆目わからない。

 人名を出された(競技名を伏せた)「無名」の選手が、何の競技の何者なのかわからない見出し付けは、担当記者の不出来というか了見違いだが、それが、でかでかとまかり通るところに、全国紙の編集体制に不審を抱くのである。

 そして、これまで当ブログで力説しているように、「リベンジ」は、とてつもなく邪悪な言葉であり、全国誌の紙面に堂々と登場すべきでないと信じるものである。

 一つには、リベンジの普通の理解は、「復讐」、「血の報復」、「天誅」であり、報復が報復を呼ぶ、中東由来のテロの正当化に通じるものである。せいぜいが、単に競技で後れを取ったことを、「負けた」ととり、「屈辱」、つまり「汚名」をすすぐとした、前世紀の遺物、大げさな「雪辱」である。

 二つには、近来出回っている「再チャレンジ」の意味であるが、あくまで、一部で出回っているだけで、第一の意味の影に隠れていて、入り交じっているため、大抵の読者は、一読して意味を理解できず、文脈を読み取らないと、どちらの意味かわからないのである。

 今回の記事も、よくよく見ると、第一人者に負けた屈辱を晴らしたことのようだから、第一の意味なのだろうが、それにしても、スポーツの世界で、競い合って後れを取る度に、逆恨みして仕返しを企んでいては、選手の本分を妨げるのではないかと思う。別の競技の一部の選手が、そのような発言を報道されているが、読者によっては、そのような選手の気質を野蛮と捉えて、背を向けることも考えられる。
 それにしても、何故、誰にも通じる「普通」の言い方をしないのか、大いに疑問である。

 つまり、目立ちたがりの担当記者が大声で、大見出しで「リベンジ」と叩きつけても、読者にその意味が通じないのだから、それは、報道の基本の基本を怠った無頼の行いである。

 全国紙には、編集部門に何段階ものチェック機能があり、また、校閲部門があるはずだが、機能していないのか、休眠しているのか、かくのごとき蛮行が世に出ている。全国紙の権威も何もあったものではない。

 一介の定期購読者としては、この記事を切り取って返品するわけにも行かず、当ブログの影響力は無に等しいるから、ひっそりと不平を漏らすしかできないのである。

 どうか、未来を担う若者たちから、この悪質な言葉が消え失せて欲しいものである。全国紙は、そうした良心を保っていると思いたいのだが、どうだろうか。

以上

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