« 動画撮影記  東北の春 内陸線 阿仁河川公園 桜満開 | トップページ | 今日の躓き石 暴走に関する苦言 法の精神(正義)はどこに »

2018年4月 8日 (日)

今日の躓き石 毎日新聞の汚点 スポーツ面に「リベンジ」絶えない醜態

                  2018/04/08
 本日の題材は、毎日新聞大阪朝刊第13版のスポーツ面のプロ野球記事である。
 好成績(結果)を収めながら、余計者として放出された選手が、独立リーグで再起への出発を飾ったという、大変結構な記事なのだが、何としたことか、「リベンジ始動」と、この上なく汚い言葉で見出しを付けられては、前途は険しいと思う。

 おそらく、プロ球界への復帰を期しているのだろうが、こう大々的に恨み言を書かれると、この選手を自チームに迎えるのは、当該球団の扱いを不当とし、選手の復讐心に加担することになるので、とても採用に乗り出せないのではないか。
 当人がそのような不穏な発言をしたとしたら、自身で、球界復帰の道を閉ざしたことになる。(「球団」とは、プロ野球のものであり、「球界」とは、プロ野球界のことである。)

 毎日新聞は、この選手の未来を呪う、球界への復帰の可能性を断つ記事を書いたことになる。

 それにしても、輝かしい伝統を持つ全国紙である毎日新聞での「リベンジ」の蔓延には、情けないものがある。

 スポーツ選手は、単なる向上心では刺激が足りず、なにか激烈に闘志をかき立てる呪文が必要のようだが、スポーツの上でのライバルに対して、ぶっ殺してやるとか、血祭りだとか、とんでもない言葉を言い立てないと「モチベーション」が保てず、力を尽くせないのだとしたら、いさぎよく、スポーツ界を去るべきである。

 ついでに言うと、当記事の担当記者は、趣旨不明にしているが、現在の若者言葉では、「リベンジ」は、血塗られたものでなく、生ぬるく見える「再挑戦」、「リチャレンジ」が大勢のようである。

 一つのカタカナ言葉として、英語直訳の第一義すら、理解困難として一般読者を困らせているのに、それと見分けの付かない第二義を紛れ込ませるのは、報道の大義に背く、不適切なものである。簡単に言うと、言いたいことは、読者に明解に伝わるように、しっかり書くものではないのかということである。
 オヤジ好みの不穏な「リベンジ」を、ぶち殺して駆逐したいのであれば、言いっぱなしにするのではなく、その場で補足すべきなのである。

 それにしても、リベンジを期する、とは、どんな意図で書いたのだろうか。当人は、俺の実力を見ろ、採用すれば、即チームの力になる、ことを示したいのではないか。それであれば、他球団にけんかを売るものではないから、採用に動くチームもあるかも知れない。最初に書いたように、「リベンジ」報道は、未来に暗雲を投げかけている。困ったものである。

 最後になるが、天下の毎日新聞には、このような不出来な記事を是正する編集機能はないのだろうか。
 担当記者が書き散らしたものが紙面に蔓延するのであれば、もはや、フェイクニュースへの歯止めも、ないということであり、組織として権威を期待される大新聞も、組織が機能しないということであり、組織として、報道の頂点から退陣すべき時が近づいていると懸念されるのである。

以上

« 動画撮影記  東北の春 内陸線 阿仁河川公園 桜満開 | トップページ | 今日の躓き石 暴走に関する苦言 法の精神(正義)はどこに »

今日の躓き石」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 動画撮影記  東北の春 内陸線 阿仁河川公園 桜満開 | トップページ | 今日の躓き石 暴走に関する苦言 法の精神(正義)はどこに »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


2025年5月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

カテゴリー

  • YouTube賞賛と批判
    いつもお世話になっているYouTubeの馬鹿馬鹿しい、間違った著作権管理に関するものです。
  • ファンタジー
    思いつきの仮説です。いかなる効用を保証するものでもありません。
  • フィクション
    思いつきの創作です。論考ではありませんが、「ウソ」ではありません。
  • 今日の躓き石
    権威あるメディアの不適切な言葉遣いを,きつくたしなめるものです。独善の「リベンジ」断固撲滅運動展開中。
  • 倭人伝の散歩道稿
    「魏志倭人伝」に関する覚え書きです。
  • 倭人伝道里行程について
    「魏志倭人伝」の郡から倭までの道里と行程について考えています
  • 倭人伝随想
    倭人伝に関する随想のまとめ書きです。
  • 動画撮影記
    動画撮影の裏話です。(希少)
  • 卑弥呼の墓
    倭人伝に明記されている「径百歩」に関する論義です
  • 古賀達也の洛中洛外日記
    古田史学の会事務局長古賀達也氏のブログ記事に関する寸評です
  • 名付けの話
    ネーミングに関係する話です。(希少)
  • 囲碁の世界
    囲碁の世界に関わる話題です。(希少)
  • 季刊 邪馬台国
    四十年を越えて着実に刊行を続けている「日本列島」古代史専門の史学誌です。
  • 将棋雑談
    将棋の世界に関わる話題です。
  • 後漢書批判
    不朽の名著 范曄「後漢書」の批判という無謀な試みです。
  • 新・私の本棚
    私の本棚の新展開です。主として、商用出版された『書籍』書評ですが、サイト記事の批評も登場します。
  • 歴博談議
    国立歴史民俗博物館(通称:歴博)は、広大な歴史学・考古学・民俗学研究機関です。「魏志倭人伝」および関連資料限定です。
  • 歴史人物談義
    主として古代史談義です。
  • 毎日新聞 歴史記事批判
    毎日新聞夕刊の歴史記事の不都合を批判したものです。「歴史の鍵穴」「今どきの歴史」の連載が大半
  • 百済祢軍墓誌談義
    百済祢軍墓誌に関する記事です
  • 私の本棚
    主として古代史に関する書籍・雑誌記事・テレビ番組の個人的な読後感想です。
  • 纒向学研究センター
    纒向学研究センターを「推し」ている産経新聞報道が大半です
  • 西域伝の新展開
    正史西域伝解釈での誤解を是正するものです。恐らく、世界初の丁寧な解釈です。
  • 資料倉庫
    主として、古代史関係資料の書庫です。
  • 邪馬台国・奇跡の解法
    サイト記事 『伊作 「邪馬台国・奇跡の解法」』を紹介するものです
  • 隋書俀国伝談義
    隋代の遣使記事について考察します
  • NHK歴史番組批判
    近年、偏向が目だつ「公共放送」古代史番組の論理的な批判です。
無料ブログはココログ