今日の躓き石 毎日新聞 サッカー報道の本筋回復
2018/06/09
今回の題材は、毎日新聞のサッカー報道であるが、当ブログでは、ここ二回手厳しい批評が続いたので、その間に、本筋報道があったのを謝意と共に書き留めるものである。
今回の題材は、毎日新聞のサッカー報道であるが、当ブログでは、ここ二回手厳しい批評が続いたので、その間に、本筋報道があったのを謝意と共に書き留めるものである。
題材は、毎日新聞大阪第13版スポーツ面のサッカー報道であるが、取り上げられているのは、5/30のガーナ戦であり、新監督の指揮下の戦いぶりを、データに基づいて、冷静、かつ、賢明に分析しているので、大変ありがたい。
と言うものの、このような解説記事があっての、前々回記事に取り上げたような高度な批判記事が来るべきだと思うのである。言うならば、もったいない手順前後であるが、毎日新聞のサッカー報道として、ちゃんと見直されているという事と思う。
と言うものの、このような解説記事があっての、前々回記事に取り上げたような高度な批判記事が来るべきだと思うのである。言うならば、もったいない手順前後であるが、毎日新聞のサッカー報道として、ちゃんと見直されているという事と思う。
さて、当記事は、前監督時代のデータと新監督のガーナ戦のデータを対照表形式で公開して、論評しているので、まことに明解であるし、毎日新聞のスポーツ報道でおなじみの身体検査式評価が出てこないので、ありがたいのである。
また、とかく、断片的な捨て台詞しか報道されなかった前監督の指揮が、しろうとにもわかるように、つまり、大抵の一般読者に伝わるように、丁寧に説きほぐされているのもありがたい。
ガーナ戦については、既に元代表監督ジーコの評価が報道されていて、趣旨として「いくら華麗にパス回ししても、時間ばかりとられて、最後は、ゴール前に高い球を送り込むのであれば、待ち構えている相手の高い守備に阻まれて点が取れないのも当然」、としていた。
この点は、指摘の通りとして、前監督は、世界一流のチームには、日本式の攻めが通用しないから、超の付く速めの攻め上がりで、「超速」カウターアタックを狙うべきだとする戦略が、始めて、一般読者に伝わったことになる。
他にも、前監督の戦略は、「攻防の切り替えの激しいゲーム展開にすることにより、心と体のスタミナで敵を凌ぐ」という作戦に、勝機を見出すと見えたのである。
これは、「カウンターアタックで攻め上がりを急ぐとボールを奪われたときに失点する可能性が高い」、などという、ちまちましたリスク意識を押しのける強い意志を感じさせるものであるが、そのような狙いが明解に報道されたことは、ほとんど無かったように思う。報道人と監督の間に、越えがたい溝が生じていたように見えるのである。
これは、「カウンターアタックで攻め上がりを急ぐとボールを奪われたときに失点する可能性が高い」、などという、ちまちましたリスク意識を押しのける強い意志を感じさせるものであるが、そのような狙いが明解に報道されたことは、ほとんど無かったように思う。報道人と監督の間に、越えがたい溝が生じていたように見えるのである。
と言うことであるが、現監督は、前監督の戦略を継承できないので、伝統的な日本サッカーを進めざるを得ないのである。
因みに、当方の見方は、日本代表が上位チームに勝てないのは、総合力の差によるものであり、全て狙い通りに進めても、4,5戦に一回勝てるかどうか、というものだと思う。
後は、特定の相手にどのようにして勝つかという、特化した戦術選択であり、それこそ監督の技量を試されるものである。
当記事は、新旧監督の戦略眼を示すものであり、意義深いものであった。
この記事に先立って、往年の一流選手の戦略眼として、柱谷氏の丁寧な解説があったが、本来、全国紙記事に求められるのは、そのような「監督と選手の言葉の繋ぎ役」である。
素人読者である一サポーターとしては、担当記者が演説のごとく滔々とぶち上げる高度な論説記事の前に、かくのごとく明解な報道をお願いしたいものである。
以上
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