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2018年8月 8日 (水)

今日の躓き石 全固体電池の謎 NHKサイエンスZEROの迷走 R

                               2018/08/08  2018/11/25確認 R
 突然、再放送されたが、特に訂正は無いし、新発見の追加もないので、以下の批判は全く耳に届かなかったようである。何とも、もったいない話である。
 特に、固体物質の中を別の物体が自由に通り抜けているという幻覚というか、与太話が、視聴者に対して一向に説明ができていない、という自覚がないようである。目の前の「こじるり」が、まじめに賢い質問をしても、反射的にごまかすだけで、質問の意味を解していないから説明になっていないのは困ったものである。
 ご本人は、とにかくそう思い込んでいて、とにかくこれからの30年も試行錯誤で貫くようだが、それでは周囲の協力者はたまらないのである。
 どうか、目を覚ましてもらいたいものである。
 そうそう、リチウムイオン電池が偉大なのは、それまでは水を電解質に使っていた電池の1.4V程度の「壁」を、大きく越えたからである。電極間の電圧が上がると、水の電気分解が起こったので、いくら高電圧の発生出来る電極剤があっても、使えなかったのである。
 発明の意義をよく味わうべきである。
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 本日の題材は、NHKEテレサイエンスZEROであるが、最新の回ではなく、前回、つまり7/29放送の 「1分で充電完了!?誕生!夢の全固体電池」のとんでも説明である。時間経過と言えば、逆順であるが、症状は共通しているから、このように一週遅れで、公開する。
 いや、「迷走」と言っても、電池の性能そのものに疑問があるのではなくて、動作原理の説明がおかしいのである。
 
 図形化と実験データの提示で、明解なように見えるが、実は、とんでもない誤解を提供しているのである。
 
 よく考えれば誰でもわかるのだが、およそ電池である以上、内部を「電気」が移動しないといけないのだが、それを、リチウムの移動によるもののように説明しているのが、不可解、不合理である。
 
 誰でも知っているものの理屈なので、聞き役のこじるりが、すかさず鋭く、賢いツッコミを入れているのだが、言うならば、固体内を物質が自由に移動するのは不可能である。
 
 しかし、そのような真剣な疑問に対して、現に電池が充放電されているということは、リチウムが液体のように移動しているのだと、理論的な説明にならないまま押し切って、リチウムの通り道をもっともらしく図解してはぐらかしている。図解は、説明者の考えを描いただけで、実際の現象を解析した結果ではない。個人的な憶測を言い立てられては、大いに不満である。これでは、聞き役の聞き甲斐がないのである。

 
 もし、本当にリチウムが移動しているというのであれば、その瞬間の内部の物質分布を示してほしいものである。講釈師紛いの見てきたようななんとやらは、ご免である。
 
 さらには、塩素を添加すると電池性能が向上すると言っているが、その理屈が説かれていない。結果が良ければ、理論解明は要らないということなのか。
 
 このように理論解明しないままに、しらみつぶしに材料試験を重ねたと言うから、提示された固体電解質は、偶然の「発見」であり、特許は取れないということである。模倣し放題である。困ったことである。
 
 当方は、いろいろものの理屈を知っていると言うだけの、無位無官の素人であるが、思うに、電池内を移動しているのは、リチウム原子ではなく、イオン化によって追加された価電子、つまり、電子の移動、と解する言い古されていることだが、価電子の移動方向と電気の流れる方向は正反対であるが、それは、ここで指摘している問題の本質に関係無い。
 
 塩素添加以前に、リチウム、ゲルマニウム、リン、イオウの化合物を充填した固体電解質も、含まれるリチウムの価電子が移動する媒体と捉えると理解しやすいのではないか。つまり、固体電池と言うものの、電極間はリチウムが連鎖導通していて、電荷が移動しているのではないか。
 いや、電解液を介在させている従来のリチウムイオン電池でも、エネルギー消費の多い、物質の大挙移動は起きていないのではないかと疑われる。番組では、意図的に視聴者の誤解を誘うように図解されているが、実際はどうなのか、疑惑が巻き起こるのである。
 
 よく知られいてるように、ゲルマニウムは半導体であり、価電子ないしは正孔の移動によって、内部を電気が移動すると解されている。そのような性質により、リチウム価電子の移動を助けているかも知れない。あるいは、固体電解質の結晶構造が、電解質内部の価電子の移動を容易にするのかも知れない。結晶化学研究者のご意見をお待ちしたい。

 素人考えで恐縮だが、「液体電池で起きている電荷移動のメカニズムを固体電池で再現すれば」、固体の密度は格段に高く、従ってリチウム原子間の距離が短いので、それだけ、電池としての
(大幅)性能向上が実現するはずである。
 素人目には、実現が難しいのは、「」内の部分のように思える。
 
 それにしても、番組に提供された説明では、周期律表の近隣元素は似通った性質を持っていると称しているが、これは、高校生でもわかる、インチキな非科学的な誤解であることは言うまでもない。原理説明がインチキなのか、関係者の理解が間違っているのか、どちらにしても、大変困ったものである。
 
 以上の指摘が正しいかどうかは、権威者にお願いするとして、今回の番組は、そのような当然の事前検証を経ていない、拙速、生煮えのものと見える。視聴者がNHKに寄せている信頼を裏切るものではないか。
 
 くれぐれもお願いしたいのは、広く視聴者の尊敬を集めている番組であるから、番組制作者は、自分たちが全国に広めようとしている番組を、もう一度、自分の目で見て、自分で考えて、自分なりに理解した上で、欲しいのである。安直な受け売りは、御免被りたい。
 
 重ねて言うと、中高生でもわかるような不合理を、すんなり通してはいけないのである。
 
 年寄りの愚痴になるが、どうも、この番組は、番組のコメンテーターが自身で理解して番組を組み立てる信頼の置ける科学番組から、受け売りに近い雑談番組に変わったようである。
以上

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