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2018年8月31日 (金)

今日の躓き石 ハードルを下げる毎日新聞の奇功

                      2018/08/31
 今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊第13版(8月30日付)経済面「アマゾンQR決済」と題したコラムの末尾である。但し、別にアマゾンについてとやかく言っているのではない。記事のまとめ方が不出来であるから、不出来だと言うだけである。
 
 各社がQRコードを使った代金決済システムを企画していて、その中の一グループは、決済手数料を一時無料にして事業者が導入する際の「ハードル」を下げているという。
 
 ここで表面に出ている「ハードル」と言うカタカナ言葉は、陸上競技用語の誤用であり、初心者の理解を困難にしている。陸上競技のハードルは、全力疾走している競技者にしてみると、飛び越すのは僅かな負担となるだけで、大した難題ではない。まして、飛び越えずに押し倒して通っても良いのだから、多くの場合に込められた、進路の壁と言う意味は,どこにもない。カタカナ語がわかりにくいのに加えて、ハードルを「越せない邪魔者」と感じた部外者の誤解から始まっていて、最悪に近い誤用である。

 だから、当方は、「バー」(高飛びの横棒)と言い換えるべきだと信じている。最初に誰がこのような馬鹿げた比喩を持ち込んだのかわからないが、どこかで誰かが気づいて是正すべきではないだろうか。後生、つまり、子供や孫の世代に、このような負の遺産を押しつけるのは、恥ではないだろうか。
 
ちなみに、バーの立ち入り禁止の効力は、本当は、バーの高さには関係無いから、軽々とまたげるバーであっても、完全差し止め、Complete barなら、高さに関係無く立ち入り禁止なのであるが、そこまで言わないことにしましょう。
 
 それはさておき、ここに書かれているハードルは、もともと誰が誰に対して設けたものかわからないが、特定の業者が「決済手数料を一時無料にして」、「ハードルが下げている」と言っているから、そのものたちが設けて思いのままにに下げているように見える。 
 システムを広く、速く普及させたいのなら、そんな「ハードル」は、最初から廃止したらいいと読めるのである。また、各社の個性的な政策(販促策)は、「差別化」などと訳のわからない言葉でごまかしてはならないと思う。下手に統一すると談合と捉えられて、公取委に睨まれるから、互いに似ないようにしているだけである。
 
 ということで、普通に読むと、理屈に合わないことになるので、お粗末極まりない書きぶりだと思うのである。比喩を導入するのなら、比喩の出典を確認して、読者に意図が伝わるようにすべきである。また、比喩には、最後まで責任を持つべきである。
 

 思うに、新来の客に飴玉をしゃぶらして自店に誘い込むというのは、販売促進策の常套手段であり、各社各様に工夫を凝らすのも、また、使い古した手口であり、全体として陳腐そのものの常套手段である。
 どちらかというと、各社の売り上げ拡大、利益拡大の施策ではないか、のせられてたまるかと、読者は疑い、財布の紐を締める。そうした流れを、記者が知らないだけなのだろうか。
 
 本当に肝心なのは、一般読者、特に、壮年以上の世代がシステムの効用を理解できないために、新しい決済方法に同調できずに、効率の悪い現金決済が持続することである。それは、国家的な損失なのだが、この記事を見る限り、読者にそのようなメッセージは伝わらないのである。

 毎日新聞の記者は、事態の大局を掴んで読者に伝えるのが使命ではないのだろうか。
 
以上

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