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2018年9月15日 (土)

私の本棚 一中国人の見た邪馬台国論争 ⑺ 張明澄 1-3

 季刊邪馬台国第17号 (1983年9月刊) 好評連載第七回
  私の見立て ★☆☆☆☆  末尾の提言 ★★☆☆☆
                       2018/09/15
*張明澄暴論の発掘
 今回も、当方が採用している里程説に対して、提唱者である古田武彦氏の罵倒という形でいたずらに字数を稼いでいるので、35年遅れで熟読批判した。但し、当方は、放言を避け、濁点付きの暴言も避け、丁寧に批判しているので、多少は参考にして頂けるかも知れない。

*死に至る病
 いきなり、かなり多くの邪馬台国研究家には、致命的な欠点が見られると医学的な託宣であるが、まだ、同行の方々が多数早世した話は聞かないので、これは藪医者の放言であろう。

*奴国なる砂上の楼閣
 続いて、福岡市は、83年現在、九州一の大都会と断言しているが、これは、お粗末な断言である。1983年当時の人口は100万人強であり、ようやく九州最多の人口となったものであるが、依然として、北九州市とほぼ同等であるが、各市の人口は市域の採り方にもよるので、人口で、都会の大小比較が困難であるのは明らかである。とは言え、張氏が何をもって福岡市を最大の都会と言ったのかは、不明であるから、否定も肯定もできないのである。字数稼ぎの無駄口でしかないのである。

*福岡市再確認

 また、福岡市の博多湾岸寄りの部分は、太古以来次第に海に進出してきた河川扇状地であり、三世紀当時は、今日の港湾領域は海面下であり、そのような浅瀬・砂州のある海域に小舟の停まりはあったとしても、貿易港としての態を成していたかどうか不確かと言うしかない。

*幻夢の重畳

 確かに、遺跡発掘によって、博多湾の扇状地に住居が存在していたことは確認されているが、少なくとも、地盤軟弱で河川氾濫でしばしば浸水する領域に、楼閣、望楼などの大規模建物を設営するはずはないのである。して見ると、当時、現在の福岡市域に、数万戸の大国はなかったと見るべきではないか。以上、何とも。無造作な放言なので、ツッコミを入れた。

*悲惨な文盲批判
 張氏は、中国文明を知らず、中国語を読み解けない「文盲」は、魏志倭人伝を論ずるなと、得意の門前払いであるが、門の中に何が在るのか不審である。正確な表現を心がけてか「漢文文盲」と言い足しているが、この昂然たる差別表現が何を齎しているのか、意図不明である。

*信教告白
 ここで、張氏は、実は、自身が「語学」教徒であると告白している。
 

 「冒瀆」とは、崇拝対象に使う言葉であり、氏の議論は、全て宗教的なものなのである。信仰の問題は当人の自由であるが、学術の分野に、聖戦概念を持ち込まれてはたまらない。いや、古代史分野で、冒瀆や売国なとの論議不能な言葉が飛び交うのは、別に、張氏の著作に限らない。道理で暴言が飛び交う。不信心者に配慮は要らないのであろう。

 つまり、張氏の古田氏批判の根源は、古田氏の「冒瀆」に対する攻撃であり、これでは、しらふでも、熱に浮かされた議論になり、子供の口喧嘩ではないが、白熱した売り言葉、買い言葉が飛び交うのである。
                                          未完

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