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2018年9月

2018年9月30日 (日)

今日の躓き石 NHKが続ける「リベンジ」の継承 チアリーディング

                            2018/09/30
 本日の題材は、NHKBS-1で放送されたチアリーディング日本選手権大会なのだが、選手の口からも、ナレーターの口からも、「リベンジ」という忌まわしい言葉が漏れるのは、何とも、痛々しいのである。どうも、この笑顔満載の世界でも、やられたらやり返すのが通り相場になっているらしい。
 
 もちろん、チーム同士互いにぶつかり合う場面はないから血を見ることはない。ただ、単に「借りを返す」と言うだけでも不穏なのだが、カタカナ語でリベンジというと、当人にそのつもりはなくても、血のにおいがするのである。もったいない話である。最後の最後に、主役らしいチームの演技に先立って、「去年のリベンジを果たす」とたっぷり泥を塗りつけられたのは気の毒である。
 
 勝者の選手は、自分たちの世代は負け続けてきたが、ここで力を出し切れて、優勝できてうれしいという。そうありたいものである。負けて恨まず、勝って奢らずである。通り相場などではないようで、安心した。
 
 スポーツ指導者の皆さん、前途のある選手達が、意味もわからないままに、こんな悪い言葉を口に出さないように注意してあげて欲しいのである。
 「結果がすべて」というからには、済んだことは済んだこと、悔しさや恨みは引きずったらだめ、という教えだと思うのである。なら、「リベンジ」も捨ててほしいものである。
 
 随分長いこと、悪い言葉が出回っていたから、みんなの頭の中から消すのにも時間がいるんだろうなと、あえて事を荒立ててなげくのである。
 
以上

2018年9月24日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞スポーツ欄に不屈のリベンジ

                      2018/09/24
 今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊第13版スポーツ面のプロ野球記事である。スポーツ新聞に根強い「リベンジ」にコップ一杯の水を差した記事に続いて、品格を問われる全国紙に、根強く「リベンジ」が生き残っていて、その不屈の病根に一言言わざるを得なくなった。
 
 毎日実戦を繰り返しているプロ野球だから、その都度失敗があり、成功があるのは当然である。別にだまされたわけではないから、失敗する度に恨みに思って、仕返しをしていては、もたないはずである。しかし、安易なメディア担当記者は、つまらないネタを蒸し返さないと、記事を書けないらしい。困ったものである。
 
 特に、今回の例では、前日チャンスに打ち取られたが、今日は殊勲打を打てたという事であり、そりゃ、いくらプロでも、毎回、毎回ヒットを打てるわけではない。チャンスに凡退しても、その試合から引っ込められるだけで、別に首になるわけではない。
 
 同じ打ち取られかたをしないように、次の好機での一打を狙うものではないのか。また、さよならの一打が試合を決定づけたように見えるが、その一打以外の全プレーが、残らず愚にも付かない無意味な時間を費やしたわけはないのである。塁上の走者は、劣らぬ功労者なのである。
 それが、チームの強さと思うが、違うのだろうか。
 
 
忘れてならないのが、野球はチーム九人で攻め、九人で守って戦っているのである。その中の一人が、個人的な復讐心、敵愾心で気負い立っていたら、チームプレーではなくなるのではないか。「リベンジ」など言うべきではないのである。この試合は、おまえ一人のために戦っているのではないのだぞ。
 
 ここで大事なのは、記者が見出しで謳い上げているのは、A型リベンジ、つまり、「やり返してやる、血祭りに上げてやる」という、今は廃れている言い回しだという事である。若者の言うのは、B型リベンジ、つまり、もう一丁という軽い意味である。
 
 一つのカタカナ言葉に二つの紛らわしい意味があって、プロの記者すら気づかずに気ままに混同しているようでは、読者に広島カープ松山選手選手の真意が伝わるはずがない。
 誤報に等しい失態である。プロの報道人にしては、情けない。
 
 それにしても、定番とも言える問題表現が、堂々と紙面に出るという事は、毎日新聞社には、良心がないのかと疑いたくなるのである。一片の見出しは、紙面に出るまでに、複数の人々の批判に遭うものと信じているから、宅配講読を続けているのである。担当者が書いたら、何も審査せず、そのままなのだろうか。新聞の品格は、記事の中の最低のものに合わせて評価され勝ちである。
 
 何とか、良心ある各メディアから、「リベンジ」なる野蛮な言葉が消え去る日が来てほしいものである。微力ながら、当方は、気がつく限り、こうしてか細い摘発を続けるのである。
 
以上

2018年9月23日 (日)

今日の躓き石 悲惨な虚報スポニチテニス報道の暴走

                            2018/09/23
 今回の題材は、スポニチのネット報道である。ここで取り上げるのは、全国紙にほぼ限定していたが、今回は、余りにひどいので、スポーツニッポンを非難することにした。
 
 ここで非難されてるという事は、全国紙並に扱っているという事であり、批判を受け止める品格があると見なしているので、良い意味で受け止めてほしいものである。
 
 と、観客に向かって「血なまぐさい復讐」(Revenge)を誓ったと報道されている。
 
 これでは、当人の人格を疑われてもしょうが無いことになる。スポーツの世界で、不敗でない限り、出場大会で一度は負けるのだから、負ける度に、その相手に復讐を誓っていたら、誓いを守るのは無理だろう。相手も、大勢負かしているから、一々覚えていられないだろう。
 そんなにくやしかったら、勝てば良いのである。そして、観客に怒りをぶちまけるものではない。
 
 記事では、実際には、『「私の試合を観に来てくれてありがとう。来年頑張って…ありがとうございます」と感謝の言葉を送っていた』のであり、どこにも、負けた相手に対する恨みや怒りは述べていないし、来年は、ぶちのめしてやるなどと不穏なことを言ったのでもない。
 

 ここまではっきり、敵対発言を報道するのなら、当人にRevengeを誓ったのかどうか確認すべきではないか。 それとも、スポーツ新聞は、事実を報道する報道メディアではないというのだろうか。
 

 一方、勝った方は、『初Vのプリスコバ 大坂思いやる「彼女には明るい未来が待っている」』と、見事に美化されている。
 
 スポニチは、「大坂バッシング」しているのだろうか。
 
以上
 

2018年9月13日 (木)

今日の躓き石 杉内投手最後の消し難い汚点 「同級生」と毎日新聞の悪乗り

                     2018/09/13
 今回の題材は、毎日新聞大阪朝刊第13版スポーツ面の記事である。いや、長く健闘してきた名投手の引退記者会見にこのような批判を寄せるのは、恥ずかしいのだが、言うべき事は言うことにした。

 いや、別に目新しいことではなくて、一流の選手は、一流の言葉遣いをしなければにならないということを言っているだけである。「同級生」とは、小、中、高校で同じ学級に属していた仲間を言う言葉であり、同学年、同期入社という意味に誤用されているが、誤用は誤用である。言うならば、正しい言葉遣いを知らないものの恥知らずな言い方でしかない。誤用を撲滅するには、そんな言葉遣いをしないことである。なのに、杉内投手は、誤用を言いふらして、子供達まで、道連れにしているのである。

 当人が正しい理解をしている証拠に、「後輩」と言って「下級生」とは言わないのである。まことに、このように恥さらしな談話が、全メディアに記録されるというのは、もったいないことである。

 ということで、談話の内容を書き換えるわけにはいかないとは言え、誤用を注釈無しに報道するのは、天下の毎日新聞として、情けないと思うのである。事実を事実として報道するのは、最低の報道であって、このような場合、「同級生」と引用しないのが、当人の未来のために正しい報道だと思う。

 もっとも、続くコラムで、毎日新聞自身の言葉として「同級生」と書き立てているから、これは、毎日新聞の標準用語になったのかとも思うのだが、そのような発表は聞いていないので、毎日新聞としては、誤用としているものと思う。

 そうそう、ここで、三流の言葉遣いで「野球人生」などと大げさに言っているが、これは、狭い、閉ざされたプロ野球界独特の誤用であり、普通の言葉遣いでは、さすがに毎日新聞がすかさず訂正しているように「17年のプロ生活」と言うべきである。これからの「人生」の参考にして頂ければ、幸いである。
 
 つまり、校閲の疎漏、手落ち、手抜かりということかと思う。しっかり、給料分の仕事をしてほしいものである。諸氏の給料は、口座に振り込まれているが、その水源の一滴は、当ブログ筆者の支払ったものである。微少であるが、ゼロではないことをご留意頂きたい。

以上

2018年9月 2日 (日)

今日の躓き石 卓球の石川佳純にオンチとの誤解

                       2018/09/02
 いや、今回の題材は、どちらかというと他愛のない揚げ足取りである。
 
 卓球の石川佳純がオンチだといじめているようだが、伝えられているお話を読むと、見当違いである
 
 本人は、歌っていて、音を外すと、しまったとばかり歌をやめているらしい。その通りとしたら、音感(耳)はしっかりしている。つまり、自分の出している声の音程とカラオケの伴奏の音程というかコードが、ちゃんと聞こえていて、外れたら外れたと直ぐに気づいているのだから、むしろ、人並み以上の音感があるということである。(気づかなければ、外しっぱなしで歌い続けるから、本物のオンチではないかという疑いが出て来る)
 
 つまり、音を外すのは、記憶しているメロディーを歌い続ける発声の加減がうまく行っていないと言うだけである。言うなら、ラケットで捕らえているのに、方向違いに飛んでいくとしたら、ラケットに当たるまでは、完璧ということなのである。
 それにしても、耳から聴いたメロディーを、ちゃんと記憶しているのは、立派な才能、感覚である。
 
 ということで、オンチと呼ぶのはやめてほしいものである。それは、オトハラとでも言いたい、「いじめ」である。
 
 予想であるが、音楽教室で、週一回一時間ずつトレーニングすれば、一年と立たずに、音を外すことはなくなるはずである。そんな暇はないことは、よくわかっていて言っているのだが。
 
 励みになるかどうか知れないが、昔、トップ10に入るようなヒットを出したアイドル歌手で、(毎日のようにレッスンをうけていたはずなのに)数少ない持ち歌の歌い出しの音を外すつわものが一人ならずいたから、石川佳純は、立派に歌手として通用する可能性があるのである。
 
 当方は古稀の老爺であるが、若い女性を見る目には年をとらせていないので言うが、今回のニュースの流れから読み取ると、石川佳純は、卓球台に向かっていないときは、気負いのない、謙虚で、魅力的な若者のように思える。いや、何十年も前にレジェンド資格すらなくしているから、口先で気を引いても仕方ないのであるが。
 
以上

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