倭人伝随想 10 里数の底流 餘の世界 1/2
2018/12/26
*餘の世界
*曖昧な世界
算用数字縦書きは実数を配置していますが、下段で漢数字の大まかな枠に落ち着くのです。現代感覚では、四捨五入する桁を指定すれば、百里でも千里でも「きっちり」概数が出せるのですが、きっちりできるのは、正確な実数を丸める場合であり、倭人伝里数のように、元々おおざっぱな数を寄せ集めるときに、その理屈は通用しないのです。
あるいは、ある程度正確に知られている数字とおおざっぱな数字を交えて計算するときという方が、事態に適しているかも知れません。
要するに、全里数の計算は、行程全体を見渡して、もっとも不確かな里数に合わせなければならないのです。
*知られている里程
帯方郡から狗邪韓国まで長年、官道として通行していて、全長に亘って何れかの国が管理しているので、区間毎に縄張り測量し一里塚を据えていたと思いますから、少なくとも、一里単位の里数を知ることはできたはずです。
*推定しかできない里程
しかし、渡海行程は、海上に道がないので、里数の測りようがなく、所要日数から類推するしかないのです。また、狗邪韓国から見ての向こう岸は、道はあっても、縄張り測量してなければ、里数の報告があっても、どの程度信頼できるか不明です。
*不確かさの度合い
例えば、元々が一千里程度で九百五十里から一千五十里の範囲かどうか疑わしいのです。九百里から一千百里の程度どころか、五百里から一千五百里の間という大まかさかも知れないのです。海の向こうで実情はわからないのです。里数は測っていないが、普通に歩いて三、四日なので、一日三百里として一千里程度、と言う計算かも知れないのです。
未完
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