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2019年5月12日 (日)

新・私の本棚 番外 諸説あり!邪馬台国S 「幻の国」6/6

 諸説あり !邪馬台国スペシャル!▽古代ミステリー幻の国は”ここにあった”

 私の見立て ★★★★★ 必見 BS TBS 2019/05/10 記2019/05/12

*伊都国論
 伊都が、代々王が継承している名門であり、地の利を得ていたから、女王は、密接な位置で統属したと見るのは、中国人には珍しい堅実な読みです。

 当方も、以前から、主従は別としてそう見ているのですが、畿内説の余地がなくなるので、国内ては、決して表面化しないとみていました。

*背負子物流
 ゲストは、牛馬なしに荷物搬送が困難と速断しますが、ある意味正鵠を得ていても、今日まで、背負子の運搬が国を支えたことを見過ごしています。要は、倭地で運ぶ量が、中原で運ぶ量に比べて、圧倒的に少ないのです。いや、海峡越えの漕ぎ船が、漕ぎ手満載で、大して荷物を運べないのですから、それに見合った量しか通らないのです。

 最も著名なのは、日本海岸から京都まで、人が背負って全行程を運ぶ「鯖街道」が維持されていたということでしょう。京都への物流は、瀬田川や淀川から伏見への船便が大半としても、四囲の山越えで背負い運びされたものも多かったのです。いや、大半は、牛馬でしょうが、人が背負うこと多いはずです。こつは、小分けにすることです。

 と言うものの、チラリと、纏向の諸国産物集積が、近距離交易の繰り返しで届いたのではないかと漏らしているのは、賢明、と言うか、同感です。

⑷追記 地名移行論の不明
 麗々しく言い立てられた九州地名の近畿への移行は、新発見でなく、安本美典氏の主唱するところです。新説を唱えるのに、先例を示さずに二番煎じを言い立てるのは、学問の世界では大変不細工な態度です。

 思うに、諸先生は、いきなり検討課題を与えられ、先行論考の検索に手が回らなかったのでしょうが、日本側のスタッフは、当分野の先行論文は、承知の筈であり、折角の教示に水を差さない程度に言及すべきと考えます。

 素人さんは、知らなかったで済みますが、権威者は、当然、補佐役がいて、一人芝居ではないので、不注意で済むような安易な逃げ道はないのです。

 そして、地名移動論の難点が説かれていないのです。周辺地名が移動したとして、「邪馬壹国」、「伊都国」などの主要国名や「卑弥呼」「壹与」などの主要人名が、適切に継承されていないのは、どうしたことでしょうか。安本氏も、この難点には直答していないのです。

 因みに、古田氏は、纏向政権が、西方政権資料の都合の良いところだけ取り込んで史書策定、地名改訂した結果と見ています。一考に値するでしょう。

□自明の議論
 三氏の見解は、普通の教養と思考能力のある人が、虚心に、明快さを求めて倭人伝を読み解けばそうなると言う、いわば自明の論議で、率直に言うと、特別に斬新なものではなく、国内在野の論客、早く言えば、当ブログの筆者が、こつこつと組み立ててきた素人解釈と同工異曲です。いや、素人の手前味噌は承知です。

 今回、中国側論客の意見がたっぷり紹介され、邪馬台国論争という、名代の温泉の熱すぎる源泉に、適度の冷水が注がれたという事でしょうか。

 今回の冷静な番組作りで、業界一部の不穏な熱湯風呂が、少しでも沈静化すれば幸いです。

                                 完

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