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2019年5月12日 (日)

新・私の本棚 番外 諸説あり!邪馬台国S 「幻の国」1/6

 諸説あり !邪馬台国スペシャル!▽古代ミステリー幻の国は”ここにあった”

 私の見立て ★★★★★ 必見 BS TBS 2019/05/10 記2019/05/12

□総評
 BS TBS制作古代史番組に対する賞賛記事です。但し、前回分と重複する部分は復習していません。と言うように、前半、既存説の我田引水の蒸し返しとも見えましたが、後半は、テレビ番組の取り組みとして出色でした。終わり良ければ全て良し、★5個です。

 端的に言うと、後半部で、既存説の取りこぼした論点への冷静な批判が、中国からの警鐘となり、泰平の夢を破られた向きも多いかと思います。

 中国からの警鐘は、たまたま、畿内説の方に被害が多かったものの、九州説も、時代錯誤の議論が多いことがはっきりしたように思われます。

*「幻」の起源
 冒頭で当然のごとく前振りされているのが、既に誤解を秘めています。「古代国家」、「日本」と無造作に言うものの、当時、広域支配の「古代国家」があったというのは、安易な決めつけに過ぎないのです。「幻」は、現代人が紡いでいるのであって、当時は目前にある現実だったのです。

 当然私見ですが、広域支配に不可欠な文字、文書行政がなかった以上、古代国家はなかったとする見方が有力と思われます。また、八世紀冒頭に宣言された新国家「日本」が、三世紀に存在しなかったのは当然の理屈です。

 これらの難関をあっけらかんと無視して、その先に架空のお話を作るのは、大きな無理というものです。但し、これは、定説派の戦略で広く進められているので、この番組の責任ではないのです。

*番組の定礎確認
 それにしても、話の運びで、定説が読み過ごしている多くの選択肢が、右へ倣えで捨てられているのは残念です。そもそも、冒頭の旅程読みが先入観に支配され、多くの選択肢が遺棄され、諸説の読み尽くしはできないのです。

 続く道里談義は、倭人伝の得手勝手な改竄、読替えを野放しにして、文献解釈を混沌とさせる「一説」であり、当番組は、諸説をこじつけ読みに巻き込み、文献の着実な解釈を捨てる口実にするのは困ったものです。そもそも、この行程が魏使の辿った道のりとするのも「一説」で必然ではないのです。

 そもそも、当然のように図示される郡から狗邪韓国まで沖合遙かの海上移動ですが、当時この地域で長距離無寄港は、困難そのもの(明解に言うと、実行不可能)です。それ以前に、日程が天候、潮流に左右され、多数の漕ぎ手を要し、座礁、難船の想定される沿岸行程が、長距離の官道として採用される意義が理解しがたい(あり得ない夢想)のです。

 つまり、番組開始以前に、安直な先入観で検証なしに重大な選択肢が捨てられています。解決、克服済みのFAQ(良くある質問と回答の一例)などではないのです。

 番組の前提に、番組自体が不確かと感じている定説を採用するのは、他に策がないとは言え、世に誤解を広げて、寂しいものがあります。

 番組諸処に畿内説風の史料解釈、史料改竄が刻み込まれて、不気味なものがあります。両論比較といいながら随分傾いた基盤に立っているようです。

 学問は、公明正大な議論が第一です。

                               未完

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