今日の躓き石 安直で不出来な球界商標「関西ダービー」への疑問
2019/06/16
今回、CSの中継で三連戦を見ているのですが、関西球団の交流戦を「関西ダービー」と呼ぶのは、なんとも、不細工です。それなら、西武-巨人は、「東京ダービー」、千葉ロッテ-巨人は、「ベイエリアダービー」なのでしょうか。
そもそも、球界が参考にすべきMLB(アメリカメジャーリーグ)で、近郊球団の対決を「****ダービー」と呼ぶことはないのです。
MLBは、日本の交流戦に当たるインターリーグで、近隣チームの対決、例えば、ニューヨークヤンキースとニューヨークメッツの対決は、サブウェー(地下鉄)で両チームのフランチャイズを行き来できることから、「サブウェーシリーズ」と呼んで盛大に売り出していて、他地区は、それぞれ独自の呼び方で、つまり、商品として独自のネーミング/商標で売り出しているのです。
そもそも、「ダービー」は、英国イングランドの地名であり、有名な競馬レースが行われることから、イングランドで盛んなフットボール(ラグビーとサッカー)の同地区対決を「ダービー」と呼ぶ習慣があるようです。(詳しく確認したわけではない)
しかし、欧州大陸諸国や中南米諸国は、各国独自の文化を誇りにしているから、いまいましいイングランド地名を名乗ることはない、はずです。
してみると、今回耳についた「関西ダービー」は、野球の世界にないだけでなく、フットボール界でも、イングランドローカルの習慣に過ぎないようです。いや、丁寧に言えば、日本では同国と見えているスコットランドですら、イングランド地名を好むとは思えないのです。フットボールの世界では、両者は同国というわけでなく、別ネーションの「敵国」なので、好んで,イングランド地名を名乗るはずはないと思うのです。
このように、「関西ダービー」は、日本固有文化の誇りもなければ、グローバルな通念に習ったものでもなく、やんわり言えば、大変できの悪い「商標」です。球界で使用の前例がな狗手、商標として使用できるとしても、それは、先覚者が、この言葉は、できが悪くてとても公にできないと使用を控えたからです。
プロ野球(NPB)が、このようなできの悪い呼び方を採用しているのは、低俗、安直の批判を免れないと思うのです。球界は、100年を超える歴史の中で、様々なカタカナ語汚染を日本語に持ち込んで後世に負の伝統を残していますが、またしても、子供たちに、覚えて欲しくない半カタカナ語を残すつもりなのでしょうか。
ここで批判したところで、当事者の耳には入らないでしょうし、仮に耳に入っても、歯牙にも掛けられないでしょうが、当方は『「口」はないが大声をあげなければならない』のです。
以上
追記:いや、CS中継放送の「関西ダービー」連呼は、NPBの本意でないのかもしれないのですが、当然、商標使用について「責任」があると思うので、NPBを批判しているのです。
CS中継は「京セラにファンが詰めかけている」などと、問題発言をアナウンサーがボロボロ取りこぼす程度の商標認識不足なのですが、天下の有力民放「ABC」が、堂々と番組名に「関西ダービー」と打ち出し、「#関ダビ」などとツイートを煽っているので、ここでこうして問題提起しているのです。
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