今日の躓き石 毎日新聞の苦言の心地よさ 「元気をもらった」への違和感提起
2019/06/24
今回の題材の毎日新聞大阪夕刊3版の「特集ワイド」は、まことに惜しいことに1面で大きく躓いています。見出しに曰わく「違和感覚える言い回し」とは、何とも無様です。「違和感を覚える」と「てにをは」を足した言い回しについて何か語ろうとしているとしても、何に対して違和感を「感じた」のか書かれていないから、見出しとしての意味が不明です。散歩道で、些細な小石に躓いたようなもので、足を痛めたという程でなくても、一瞬足が止まるのです。
つまり、全国紙の一面見出しに期待される健全な言語感覚から見て、個人的な意見ですが、この見出し自体が問題外、場違い、違和感の塊なのです。
*上には上、下には下
その程度「外れた」(当方の勝手な感想で、随分言い過ぎですが)感覚の持ち主にも、「元気をもらった」と言う今どきの言葉遣いは、なじめないから、これは相当のすぐれものです。但し、これは、人生観の問題なので、はたからとやかく言うのは、結構難しいと思います。
と言うことで、実は、当記事に書かれている流れは大賛成なのです。
記事にも書かれているように、この大変不出来な言い回しの由来を探ると、日本的な謙遜で「自分は弱虫だけど、皆さんから貴重な「元気」を分けていただいてなんとか元気が出ました」と膝をかがめてみせるところが、いつの間にか、「自分にないものを棚ぼたでゲットした。ラッキー!!」と丸儲けの言葉遣いになっていて、何となく、「さもしい」ものもらい根性を感じさせます。そんなにいいものをもらったら、返せよとも言いたくなります。
*いつでも自分の中にある元気
そう、当方は「あなたのおかげで、力の無いわたしも元気が出ました」と言う趣旨で喋るべきだと思うのです。元気を「もらった」のではなく、元々本人の心の奥に潜んでいたのが、今回、「きっかけ」があって心の中に広がったのです。そう思えば、自分で元気を出せるはずです。弱くない。自分で自分の強さに気づいていなかっただけです。
そう、既に、当世流行りの言葉遣いは上っ面の耳障りが良いとしても、底辺から崩れているのです。毎日新聞は、その実、良い意味で「保守的」な言葉の護り人だと信じていますが、社内にいろいろ不用意な言葉遣いをする人がいるので、ここで文句を付けるのです。
今回の記事で言うと、冒頭の見出しが、どうにも不細工というだけです。世間の流れに逆らって、良く言ってくれたというのが、大半の意見なのですが、ここは、定番として文句を垂れる場所なので、こうなったのです。何しろ、自分の周囲にだけ通じたら、後は誰がどう思っても関係ないというのが、大勢のようですから。
以上
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