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2019年7月24日 (水)

新・私の本棚 番外 「今どきの歴史」 2019/07 不思議な視点と視覚 1/3

 私の見立て★★★★☆               2019/07/24
百舌鳥・古市古墳群(大阪府) 「最辺境」社会の合理性

□総評
 今回の題材は、国立歴史民俗博物館松木武彦教授(日本考古学)(以下、歴博、論者との略称ご免)のご高説の紹介らしいのですが、記者の史観が混じり込んでいるか不明なので、見当違いな批判があればお詫びする次第です。

*全知全能幻想か
 論者の専門は国内考古学で、普通、(日本)列島内遺跡、遺物に関するご高説と思いましたが、堂々と「世界史的激動」であり、圏外かと危惧します。

 記者の言葉ですが、「当時、寒冷化で地球環境が悪化し、世界的にも大転換期だった」と時代錯誤の神がかりが述べられ、失礼ながら、「当時」の列島内遺跡、遺物にどう露呈しているか不思議です。論者の提言かどうかは別としても、とんでもない空想がかたられているという印象を禁じ得ません。

 素人目には、法螺はほどほどにしないと信用をなくすと言いたいのです。

□誤解招く「世界」通観の書き出し
 そのあと、豪快に世界史通観ですが、首を傾げっぱなしです。論者が博識を披瀝しても、説明は概してずさんで、日本考古学には的外れでしょう。世界的と大風呂敷を広げたものの、南北アメリカ、アフリカ、そして、インド亜大陸には何も触れていません。言わずもがなで不可解です。

 そのあと、東夷が漢墓制を真似たと急に重箱隅になり不首尾です。「漢」でも大規模墳墓に豪華副葬品を収めた皇帝もあれば、文帝のように薄葬を命じた皇帝もいます。漢を中原政権と捉えるなら、魏創業者曹操が後漢皇帝墓の盗掘を目撃したことから薄葬を遺命による国是とし、東夷が真似ようにも墓所は秘匿されたのです。

 いやはや、杜撰のてんこ盛りです。言わない方が良い余談です。

*世界崩壊の津波の余波
 「秩序が崩れて集団間の競争が激化しました」と無責任に言い放つのですが、どの世界、いつの話で、それは、どのような遺跡、遺物で立証されるのでしょうか。それとも、ただのほら話、「冗談」なのでしょうか。

 論者は、神がかりの筆致で、当時、つまり、紀元四世紀あたりの世界を描写し、それが、列島に影響を及ぼしたと言いますが、列島の地域支配者がヨーロッパ状勢は論外として、中原墓制の変化を知り得たか不思議です。

*余波、列島に及ぶ、か
 まして、列島に及んだ余波の結果、銅鐸が廃棄されたというのも、意味不明です。何か、廃棄儀式の能書きでも発掘されたのでしょうか。

*破格の論議
 「劇的」な変化が連続しておこったとは、世にも不思議な言い回しで、「大状況」も、「状況」の意義を錯誤の上に、何を大と言うのか不可解です。

*ご冗談でしょう
 全体として、「ご冗談でしょう」です。脈絡のないほら話は、逆効果です。記者は納得したのでしょうが、歴博の日本考古学とは、根拠も何もないまま、素手でこのような夢想を紡ぎ上げるのが専門なのかと言いたいところです。

■■解答なき問題
 ここで、読者に問題が投げつけられ、意味不明で解答がないのです。

 「世界」が、現代語の全地球なのか、戦国時代の「天下」なのか、盆地世界に閉じ込められた井蛙の井戸の中なのか、意味が不明で、解答できません。

                                未完

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