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2019年7月 1日 (月)

今日の躓き石 囲碁界の品格はどこに~毎日新聞囲碁・将棋スペシャル 現役「レジェンド」の悲喜劇

                2019/07/01
 今回の題材は、毎日新聞朝刊の囲碁・将棋スペシャルの「国際シニア棋戦で優勝 レジェンド16人の頂点に」と題した記事である。

 どうも、囲碁界では、50才を過ぎるとレジェンドの冠を押しつけられるらしい。ベテラン、シニアの呼び方でも、当人は不満のはずが、これではたまったものではないだろう。50で「レジェンド」の茨の冠を戴き「過去の人」になって現役から外れたら、60、70、80、90と続く「余生」をどう生きれば良いのだろうかと、皆さんお困りと思うのである。60才は、まだまだ洟ったれではないのだろうか。
 当方は、原語である英語の伝統的な用法などで判断するから、レジェンドとは、少なくとも、現役を退いた偉人を思うのである。場合によっては、骨董品である。
 これに対して、大会出場棋士は、うろ覚えの囲碁素人から見ても、各国の錚錚たるベテラン勢であるが、たまたまタイトル戦まで勝ち残っていないので報道されないというだけで、第一戦を退いてはいないバリバリの現役と見えるのである。
 思うに、囲碁界は、本当に末長く現役棋士を続けられるから、初老まで続けられないスポーツ選手どころか、お隣の将棋界では中々現役にとどまれない古稀クラスも、立派な現役であるから、囲碁界には、引退宣言しない限り、レジェンドはいないはずである。

 それにしても、大会に参加した中韓台の各国・地域の諸棋士には、確かに、往年の日本囲碁界で大活躍した名棋士も沢山いらっしゃるのだがそうでない方もいらっしゃるので、昭和の囲碁界、つまり、「日本囲碁界の1925ー1988年まで」を牽引したというのが、ふさわしいかどうか疑問なのである。素人目に一応見分けの付く王立誠、王銘琬の両名手は、平成、さらには二十一世紀の人に見えるのだが、どうして、昭和の人なのだろうか。このあたり、随分軽率な言い回しに思えるのである。

 いや、言いたいことは簡単である。なぜ、囲碁界のように知性と伝統を重んじる世界に、年齢勘定の基準が違えば経験者への尊敬の払い方も異なるスポーツ界の悪習が、こうもやすやすと伝染するのかということである。
 品格保持の基準は簡単である。異世界の得体の知れないカタカナ語は、20年経って、言葉の検疫がすんでから見習っても遅くないのである。その頃になっても、皆さんは、まだまだ現役バリバリのはずなのである。

 今回の記事の筆者は、若い頃から高名な名手であると共に、経験学識の豊富な方なので、以上の意見を読んでいただいたら、別の表現にしていただけると思うのである。少なくとも、大事な紙面に、誤解を招く不出来な用語があることは、毎日新聞にとって、不名誉だと理解いただけると信じるからである。。

以上

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