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2019年10月27日 (日)

新・私の本棚 「魏略西戎伝」条支大秦の新解釈 参 史料篇   4/5

                             2019/10/27
【大秦多金】 独立国でないので、前置きは略式である。
 「大秦國一號犁靬,在安息」、大秦多金、銀、銅、鐵、鉛、錫、神龜、白馬、硃髦、駭雞犀、玳瑁、玄熊、赤螭、辟毒鼠、大貝、車渠、瑪瑙、南金、翠爵、羽翮、象牙、符采玉、明月珠、夜光珠、真白珠、虎珀、珊瑚、赤白黑綠黃青紺縹紅紫十種流離、璆琳、琅玕、水精、玫瑰、雄黃、雌黃、碧、五色玉、黃白黑綠紫紅絳紺金黃縹留黃十種氍毹、五色毾㲪、五色九色首下毾㲪、金縷繡、雜色綾、金塗布、緋持布、發陸布、緋持渠布、火浣布、阿羅得布、巴則布、度代布、溫宿布、五色桃布、絳地金織帳、五色鬥帳、一微木、二蘇合、狄提、迷迷、兜納、白附子、薰陸、郁金、芸膠、薰草木十二種香。

 {大秦国は一名犁靬であり、安息に在る}金、銀、銅、鉄、鉛、錫、神亀、白馬、赤髦、駭雞犀、髭髧、玳瑁、玄熊、赤螭、辟毒鼠、大貝、車渠、瑪瑙、南金、翠爵、羽翮、象牙、符采玉、明月珠、夜光珠、真白珠、虎珀、珊瑚、赤・白・黒・緑・黄・青・紺・縹・紅・紫の十種流離、璆淋、瑯玕、水精、玫瑰、雄黄、雌黄、碧、五色玉、黄・白・黒・緑・紫・紅・絳・紺・金・黄・縹留黃の十種氍毹、五色毾㲪、五色九色首下毾㲪、金縷繍,雑色綾、金塗布、緋持布、発陸布、緋持渠布、火浣布、阿羅得布、巴則布、度代布、温宿布、五色桃布、絡地金織帳、五色鬥帳、一微木、二蘇合、狄提、迷迷、兜納、白附子、薰陸、郁金、芸膠、薫草木十二種香を多く産する。

【大秦道】 陸道と水道
 大秦道既從海北陸通,又循海而南,與交趾七郡外夷比,又有水道通益州、永昌、故永昌出異物。前世但論有水道,不知有陸道,今其略如此,其民人戶數不能備詳也。

 大秦道は、既に海北から陸通しているが、海に循して南(に陸通)すると、交趾七郡の外夷と比し、また、水の道は、益州永昌に通じ、それゆえ永昌から異物が出る。前世は(益州へ)水の道が有るとだけ論じて、陸の道は知らなかった。今其の略は此の如くである。其の民の人戸数は詳らかでない。

 注 益州、永昌へは、インド北部に通商路が通じていたとされている。
   交趾へは永昌経由と思われる。物資の量は少なく、移動速度は低いが、
   交易路の鎖は存在していたということである。

 自蔥領西,此國最大,置諸小王甚多,故錄其屬大者矣。
 葱嶺の西では此国が最大であり、諸小王を甚だ多く置いている。よって、其属の大なる者を録する。

【屬大秦】 大秦属国であるが、安息近隣国でもある。
 澤散王屬大秦,其治在海中央,北至驢分,[水行半歲,風疾時一月到],最與安息安穀城相近,西南詣大秦都不知里數。
 沢散王は大秦に属す。その治は海(大海ではない)の中央にある。北して驢分に至る{水行半年である。風疾ければ一カ月で到る}。安息安穀城が最も近い。西南大秦都に詣でる里数はわからない。
 注 []内は衍文。半年航行は法外である。西南に大秦都があると云うが、
   道里がわからないほど疎遠なのに、属しているというのも不可解。
 驢分王屬大秦,其治去大秦都二千里。從驢分城西之大秦渡海,飛橋長二百三十里,渡海道西南行,繞海直西行。
 驢分王は、大秦に属す。その治は大秦都を去る二千里にある。驢分城から西して大秦に海を渡るかけ橋が二百三十里長ある。海道を渡り西南に行き、海を撓めて真西に行く。(大秦に行くというのか)
 注 架橋は、ローマの得意技である。

                                未完

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