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2019年11月20日 (水)

新・私の本棚 番外 サイト記事批判 弥生ミュージアム 倭人伝 6/6

                          2019/11/15

 未知の形状、意匠の大型銅鏡をあらたに設計し大量製作するには、試行錯誤の期間を含めて、数年で足りないほどの多大な準備期間と熟練工の献身を要し、更に、一日一枚でも百日を要するという多大な製作期間を足すと、とても、一,二年で完了するとは思えないのです。夢物語でしょう。
 又、非常時の窮乏財政で、そのような大量の銅素材を、敵国呉から如何にして購入したのかも不審です。
 無理の上に無理の上塗りです。
 因みに、世にある「不可能ではない」とする議論は、まことに不合理です。空前の難業をこなしてまで、一介の東夷の機嫌を取るためだけに大量の銅鏡を新作し、あろうことか無償供与し、多額の国費を費やして、現地まで届けることなど、全くあり得ない、と言うのが、最大の否定論です。

正始元年(*58)、帯方太守弓遵は、建中校尉梯儁らをつかわし、この詔書と印綬をもって倭国に行かせた。使者は、魏の(小)帝の使者という立場で、倭王に謁し、詔書をもたらし、賜物としての金帛・錦 ・刀・鏡・采物を贈った。倭王はこれに対し、使者に託して魏の皇帝に上表文をおくり、魏帝の詔と賜物に答礼の謝辞をのべた。
(*58)魏の(小)帝の年号(二四〇)。
 「正始」は、景初三年元旦に逝去した先代明帝の後継皇帝の年号です。ひょっとして、先帝の謬りを正す新代の始まりという趣旨でしょうか。
 明帝存命なら、この年は景初四年ですが、既に一年前から景初に四年はないと公布されていました。

同四年
(中略)掖邪狗らは、率善中郎将の印綬を授けられた。同六年、少帝は詔して、倭の使者の難升米に、黄色の軍旗をあたえることにし、帯方郡に託して、これを授けさせた(*61)。 (中略)
同八年(中略)太守は塞曹掾史張政(*63)をつかわし(中略)た。その後、卑弥呼が死んだ。大いに(多いに冢を作りその径は百余歩(*64)、(中略)卑弥呼の宗女である年十三の壹与(*65)を立てて王とし、国中がようやく治まった。(中略)
(*64)卑弥呼のとき、すでに古墳時代に入っていたかどうかが大問題。(中略)一〇〇余歩とあるから一五〇メートル前後の封土をもっていたことになる。ただし最近では、古墳の成立を三世紀半ばまで遡らせる学説がある。
 倭人伝記事によれば、「冢」は「封土」、つまり単なる盛り土であり、既定敷地の没後造成であり、さまざまな要因から未曾有の規模になることはあり得ないのです。後世の墳丘墓は、まず間違いなく、長期間の計画的造成(用地選定、構造設計、担当部門の設定、費用、字y印の振り分けなどに始まる、巨大な事業となる)の可能な「寿陵」です。
 当然、未検証学説は、世に山成す「学説」にまた一つ加わった「単なる作業仮説」(ゴミ)に過ぎないので、「大問題」などと、ことさらに誹謗してまで取り上げるのは、学問の世界として不適切です。現に、山ほどある他の作業仮説は、悉く無視しているではないですか。不公平です。

(*65)『北史』には「正始中(二四〇~四八)卑弥呼死す」とある。『梁書』『北史』『翰苑』などでは、壹与ではなく臺与とあって、イヨでなくトヨだとも考えられる。これは邪馬壹国と邪馬臺国の問題とも共通する。
 現存史料と、不確かな佚文に依存し編纂経緯も不安定な後世史書とを同列に対比するのは不合理である点で、見事に「共通」です。不確かな情報を積んでも、単に、「シャンク」「フェイク」の山では、提示した方の見識を疑われるだけです。
 古代史学が、学問として認められたければ、決定的な判断ができないときは、現存史料を維持すべきではないでしょうか。

現代語訳 平野邦雄

*まとめ
 ご覧のように、本文と注釈の双方に注文を付けているのですが、どこまでが平野氏の訳文か不明なのです。又、氏の訳文と見られる中の誤字などは、誰のせいなのかわからない物です。又、資料写真は、誰の著作物、責任か不明です。また、宮内庁の著作権表記の錯誤は、誰の責任か不明です。
 当たり前のことを言うのは僭越ですが、サイト記事の著作権等を主張するのであれば、第三者著作の範囲と権利者を明確にすべきと思います。

                                以上

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