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2019年11月20日 (水)

新・私の本棚 番外 サイト記事批判 弥生ミュージアム 倭人伝 2/6

                          2019/11/15
(中略)
(*5)三韓(馬韓、辰韓、弁韓)の中の諸国をいうが、ここではコースからみて、馬韓の国々をさしている。
 「コース」とは程度の低い時代錯誤です。半島西海岸に沿って進めたとして、西海岸が終わったらどうするのか。東方への転換が書かれてない限り「コース」は南海に進むだけです。「まずは南に後に東に」と意訳するのですか。

そこから、はじめて一海を渡ること千余里で、対馬国(*7)に到着する。(中略)千余戸があり、良田はなく、住民は海産物を食べて自活し、船にのり南や北と交易して暮らしている。(中略)
 提示の紹凞本倭人伝は「對海国」と書いていて、対馬国は誤訳となります。
 因みに、掲載写真には「宮内庁書陵部©」と著作権宣言されていますが、政府機関である宮内庁が所蔵、つまり、公有の古代資料の写真に著作権を主張するなど論外です。良く良く確認の上、©を外すべきです。

(中略)それからまた南に一海を渡ること千余里で一支国(*9)に到着する。この海は瀚海と名づけられる。(中略)三千ばかりの家がある。ここはやや田地があるが、水田を耕しても食料には足らず、やはり南や北と交易して暮らしている。(中略)
 提示の紹凞本倭人伝には、「一大国」と書いています。ここも、誤訳となります。
 また、水田とは書いていないので、またもや軽率な誤訳です。

また一海を渡ること千余里で、末盧国(*10)に到着する。四千余戸があり、山裾や海浜にそうて住んでいる。(中略)人々は魚や鰒を捕まえるのが得意で、海中に深浅となり潜り、これらを取って業としている。(中略)
 「山裾や海浜にそうて住んで」いるのでは、全世帯が浜住まいで、漁に専念していたことになり、四千余戸は、国から扶持された良田を耕作しなかったのでしょうか。扶持か私田かは別として耕作地は、収穫の貢納を厳命されていたはずです。一家揃って海辺に住んでは農耕できません。「業としている」とは、普通は、交易に供して対価を得て生業を立てているという意味ですが、どうなっているのでしょうか。国としてでしょうか。

そこから東南に陸行すること五百里で、伊都国(*11)に到着する。(中略)千余戸(*14)がある。代々王がいたが(*15)、かれらは皆、女王国に服属しており、帯方郡からの使者が倭と往来するとき、つねに駐るところである。(中略)
(*14)『魏略』では「戸万余」とあり、千は万の誤りか。
 無造作に『魏略』と書くのではなく、『翰苑』の断簡写本に見られる『魏略』断片(佚文)に従うとすれば、と丁寧に書くべきではないですか。いずれにしろ、字数の限られている記事に、ことさら書く価値は無いでしょう。

(*15)『後漢書』では三〇国のすべてについて「国皆王を称し、世々統を伝う」とし、これに対し「大倭王は邪馬台国に居る」としている。
 これは、倭人伝の記事と異なるものである、とでも書き足すべきです。そうしなければ、「後漢書」を起用する意義がありません。また、なぜ、後漢書を尊重するのか、意図不明です。
 ここでは、後漢代の大倭王なる君主が、当時「邪馬台国」と称していた「国」を居所としていたと言うことでしかありません。范曄は、後漢朝代のことしか書いていないのですから、文帝曹丕、明帝曹叡の二代のことは書いていないのです。
 これに対して、倭人伝は、三国鼎立期の魏朝の記事であり、魏武曹操の時代のことも含めていますが、陳寿は、范曄が唱えた「大倭王」、「邪馬台国」の記事を書いていない、つまり、これらは、陳寿の排除した伝聞に類するものと見るのが普通でしょう、と意見されたことはありませんか。また、丁寧に補注した裴松之も、この点に関して陳寿の割愛を回復してはいないのです。范曄が、「倭」記事の根拠とした後漢代の「倭」史料は、范曄と裴松之が活動した南朝劉宋期に、存在しなかったのではないでしょうか。つまり、ことは、范曄の創作記事のように思えるのですが、反証はあるでしょうか。
 つまり、陳寿の残した記事を覆すに足るだけの、後漢書に対する史料批判は、十分にされたのでしょうか。

これから先は、東南、奴国(*16)にいたるのに百里。(中略)、二万余戸がある。(中略)
 「これから先は」とあるが、文としてどう続くのか趣旨不明です。

おなじく東、不弥国(*18)に至るのに百里。(中略)
 「おなじく」と無造作に書き足していますが、何がどう同じなのかわかりません。

                                未完

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