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2019年12月23日 (月)

今日の躓き石 毎日新聞 高校駅伝連覇失敗報道に見る「メンタル」の愚劣さ

                            2019/12/23

 今回の題材は、毎日新聞大阪14版スポーツ面の高校駅伝報道で、男子の前回優勝校が連覇を逃した経緯が語られている記事に対する不満である。断っておくが、別に記者の報道の落ち度をあげつらっているものではない。単なる不満である。

 当の先頭走者のカタカナ語てんこ盛りの談話の難詰ではない。ことは、そのような談話を言わせた指導者と当の談話自体に対して特にコメントなしに報道した毎日新聞への無い物ねだりである。
 以前から当ブログで指摘しているのだが、スポーツ界で蔓延している「メンタル」なる暴言は、ポーツ選手の能力が、「フィジカル」、「メンタル」なる二大妖怪に支配されているという妄想に発している。特に、まともな英語であり得ない文法外れのカタカナ語の流している害毒は大きい。但し、その視点は、夙に批判しているので、今回は省く。

 今回問題なのは、どうも指導者が選手に対して、おまえは「メンタル」という化け物に取り付かれているから、自分の意志の力でコントロールせよ、と厳命しているらしいことにある。奇妙奇天烈な話である。
 多分、感情の動揺で平常心を乱されたとも取れるが、あるいは、そのような場に相応しい緊張感を感じられなかったともとれて、理解困難である。記者は、どう解したのだろうか。
 いずれにしろ、感情は当人の心の幹線であり、身体で言えば心臓のようなものである。自分の大事な一部であるから、時には、調子を狂わせるかも知れないが、取り外したり、圧し殺したりできないものである。指導者は、適確にものの成り行きを教えるべきである。
 指導者としては、適確に問題を指摘した、選手には「メンタル」を「コントロール」せよと指示したということで責任逃れができるのだろうが、実は、コントロールできないものをコントロールしろと指示しているのであり、誰にもできない難題を厳命された選手が気の毒である。

 私見であるが、自分の感情に正しく付き合う具体的な技を教えるべきではないだろうか。時には、身体の一部を動かすなり、呪文を唱えるなり、お守りを握りしめるなり、「自分でコントロールできる何か」で改善できるかも知れない。
 {メンタル}は、どこかから襲いかかる魔物ではない。自分の大事な一部、メンタル面の要素なのである。

 以上、大変つまらないことを連ねたが、選手が自分を責めないで済む見方もあると理解いただきたいのである。

 さすがに、毎日新聞記者は見識豊かで、以下の各走者の談話と心理描写で、不安なり焦りなりと言った「敗因」を語っているようだが、冒頭の談話は、理解困難なままに放りだされているので、敢えて、以上のように読解いたものである。

 実態としては、先頭走者の不調で発生した並々ならぬ遅れが全員に影響し、本来の力が出し切れなかった、と弁明していると見るのだが、団体競技は一人の不調を全員が受け容れてカバーするものであり、全員揃って身体的(フィジカル面の)な不調を心(メンタル面)の不調と言い逃れしたのは、指導の失敗と見るものであるし、とかく悪役捜しする報道面の責任でもある。大したことではないが、気になったのである。

 以上は、スポーツ素人の年寄りの勝手な言い分であり、別に何の権威もないのだから、読み流されても、特に何とも思わないのである。

以上

追記 少しは建設的なことを言おうということで、書き足した。

 三位チームの監督談話で感心したのだが、さすがに、冷静でポイントを押さえているのである。いや、次のところで、言ってないことを勝手に推定したのは、ご容赦いただきたい。
 つまり、「[過去、留学生抜きで最高記録を出したときの記録に迫っても勝てなかったが、]選手は、全て全力を尽くしたのであり、それでも勝てなかったのは、誰の責任でもない。チームの[力が及ばなかったことを認めざるを得ない。]」という談話であり、随分苦吟・推敲を重ねてのことと思う。
 して見ると、今回の記事の最大の間違いは、全力を尽くして走り抜き疲れ切っていて、しかも、勝てなかったという悔しさが煮えたぎっている選手に、無理な談話を求めたところにあるのである。結果として、失言めいたことになっても、それは、選手の過失では無いと思うのである。

 競技直後の高校の選手、特に敗者に、直後談話を求めるのは、これっきりにしたらどうかということである。各メディア全体で、自粛してもらいたいのである。聞きたかったら、監督に訊けば良いのである。あるいは、どうしても、選手の後悔談を訊きたかったら、監督を通して訊いて、監督を通して回答してもらえば良いのである。担当記者の署名など、誰も見ていなくて、選手の名前と談話が残るのである。

 メディアの押しかけ取材の蛮行は、一つでも減らしたいものである。もちろん、メディアに良心も分別もないのであれば、言うだけ無駄であるが、それでも、言わずにいられないのである。

追記 完

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