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2019年12月 3日 (火)

新・私の本棚 季刊「邪馬台国」40周年記念号 1 原田実  1/1

                         2019/12/03
 私の見立て ★★★★★ 必読

□「邪馬台国論争の経緯と展望」
 氏の記事は、本記念号の要諦であり、大所高所の賢者の意見のようですが、「また一つの偏見」に思えます。

 まず、「地名は、邪馬台国比定の決定的根拠とはならない」とのご託宣ですが言いっぱなしです。「有力な根拠となり得る」あるいは、「比定説批判への強力な反論論拠となる」との側面が、店ざらしになっています。

 世上、「地名」言及はそうした台所事情によるのです。私見では、近説で、本号にも書かれている井上よしふみ氏の比定論も、自説防衛のために誤字論を唱えています。いや、別に格別の非難でなく手近の一例を挙げただけです。

*所信表明への異論
 また、魏志倭人伝には朝鮮半島の帯方郡から邪馬台国までの詳細な行程里程記事があるが、それを現実の朝鮮半島から日本列島にまたがる地理に当てはめようとすると何らかのアクロバチックな操作を伴わずにはいられない。

 これは、本紙記念号の晴れ舞台である特集記事冒頭に堂々と披瀝した氏の所信と思うので、当記事に関しては、所信への疑義を唱えさせていただくものです。

 「魏志倭人伝には朝鮮半島の帯方郡から邪馬台国までの詳細な行程里程記事がある」とありますが、素人目には、極度に切り詰めた簡略な記事と見えます。むしろ、一般的に、過度に簡潔と批判されているのに対して、あえて「詳細」と言う根拠を伺いたいものです。
 少なくとも、われわれ無教養人がそのように(詳細と)解するのは、陳寿の本意に反していると見ます。氏ほどの識見の持ち主にしては、まるで論理的でなく、不合理な判断と思われます。

 「現実の朝鮮半島から日本列島にまたがる地理」と称しても、三世紀当時の「現実」は現代人の知らないもので、いかにも当てはめられないと見えます。また、先行の「朝鮮半島の帯方郡から邪馬台国まで」と齟齬して、冗長、かつ字数空費の構文不都合です。折角の晴れ舞台で、所作が乱れています。

 「何らかのアクロバチックな操作を伴わずにはいられない」とのご託宣ですが、何を辛抱しきれなかったのでしょうか。「アクロバチック」とは、宙返りのようなものでしょうが、それが、本件とどう関わるのか。

 アクロバットは、フィジカル、つまり、身体物理特性、肉体鍛錬の生む至芸と賞賛され報酬を与えられますから、これは絶賛とも取れます。また、場違いなメンタル、つまり、知的な論理構築の分野に持ち出すのは不用意です。

 つまり、氏の所信は、一般読者には、独りよがりで独善的と誤解されかねないのです。本誌の原稿査読で異議はなかったのでしょうか。本記事は、寄稿された玉稿でなく、内部のものなので、編集過程で遠慮なしに推敲するものではないでしょうか。

*学問的疑義
 折角なので、疑義を唱えると、『倭人伝行程記事は、当時の洛陽教養人士が熟考し解読する「問題」』、従って、最小限の手掛かりしか与えられないから、無教養人が容易に正解できないのは、むしろ当然と見るべきではないかと考えるからです。これまで、多数の研究者が、営々と行程記事の「新」解釈を試みていますが、「問題」の解釈すらおぼつかないのに短気を起こして快刀乱麻する暴挙ですから、万人納得の解釈とならず、十把一絡げで氏の冷笑を浴びているのです。(この比喩は、アクロバットの比喩より、大分理性的ではないでしょうか)

 本論には、以下、氏の絞り出した賢明な指摘事項が多々あり、よく言ってくれたと思う下りが沢山ありますが、氏の所信に問題認識の齟齬がある限り、具体的指摘は、単なる異見としか見なされないのです。要は、ご自身の所信不備に気づかないのに、その所信に立って「大所高所から」他人の意見を云々するのか、となるのです。

 以上、ご本人にはご不快でしょうが、氏が、邪馬台国論の動向に大きな影響力を持っているとみて、敢えて、率直な意見を述べるものです。

                                以上

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