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2020年1月30日 (木)

新・私の本棚 井上よしふみ 季刊邪馬台国137号 1/1

【総力特集】邪馬台国論争最前線 「卑弥呼の墓は朝倉の山田にあった」
*私の見立て ☆☆☆☆☆ 不得要領意味不明のジャンク   2020/01/30

〇駆け抜け書評
 筆者は、幻覚境で意識が穴だらけ、躓き石だらけなのか、栄えある記念号の誌面を汚しています。言い方がきついのは、自著の提灯持ちの商用文と見られるからです。合わせて、このようなお粗末な「エッセイ」(論文)を審査せずに生のまま掲載している編集部に、警鐘を鳴らしたいからです。

〇粗雑な用語管理 論外不作の態
 大事な冒頭部分、枕で、著者の粗雑さが露呈しています。「初見」、つまり、「国内史料初出」とぶちかまして、いきなり書紀「斉明天皇条」(斉明紀?)で誤記奮発です。朝倉山・朝倉社と書きつつ、直後、朝倉に朝倉山と朝倉「神」社が「ない」と断言です。朝倉社が、神社かどうか証されていないのに無頓着なのでしょう。
 そもそも、「朝倉に」なる朝倉はどこなのでしょうか。
 また、何かが「ない」とは、何を根拠に言うのでしょうか。どんな資料を引いたのでしょうか。捜索範囲の記録にないと言っても、実際になかったと言うには、随分証拠不十分なのです。また、初見の「草書殺字」は、井上氏の「理論」に初対面の読者には、殺生です。
 これで当エッセイはゴミ箱入りです。

*意味不明、独りよがりの地名談義
 と言うことで、読者をほったらかしの地名談義は、全然無視です。

*混迷の魏志倭人伝「撰述」談義
 何がそうさせたのか、倭人伝談義は支離滅裂です。「本文」と、わざわざ言う意味が不審です。「固有名詞」に出所不明の発音を当てはめた「借字」と言うものの、初見の「借字」は趣旨不明であり、倭人伝冒頭の「帯方」と「韓国」は、どこから来た借字なのか、なぜ、公式と思える著名地名に対して誤字山積というのか、理解困難(不能)です。

 なぜ、倭人伝が「最初から正史と思われがち」と談じたか不可解ですが、誰も、一片の「倭人条」が「正史」とは思わないでしょう。皇帝が上覧後に「座右」に置いたかどうか知るすべはありません。また、では、どの時点から、倭人伝二千余字が正史とされたかの解明もありません。

 因みに、陳寿生家は蜀地で、帝都付近にありません。随分杜撰な校正です。

*一日にして成らず
 「楷書が隋、唐で正式書体になった」のご託宣は聞き置くとして、隋初から唐末まで四世紀あまりあるので、どの時点か明記してほしいものです。

 また、何をもって楷書「未確立」と決め付けるのかよくわかりませんが、公的に確立されていないだけで、紙上筆書が普及すると共に、楷書前身書体が実用に供されたかと愚考します。なお、公式史書は実用書などではないのです。

*陳寿遭難
 三国志編纂四年間は勘違いでしょう。魏志、呉志、蜀志、それぞれ、構想~編纂完了は別々であり、陳寿が全ての書記を行ったとは思えないのです。特に、大半が呉史官の手になる呉書の編纂期間は、知るすべがないのです。

 陳寿が草書で草稿を綴ったとすれば、誤字解消に十分対策を講じたでしょう。また、行間に意を込めた自筆稿を自身で誤読するとは思えないのです。史官を、そんなに見くびるものではありません。

 邪馬台国談義で、許慎「説文解字」の引用に当時存在しないアルファベット表記は重大な錯誤でしょう。まして、カタカナ表記は愚の骨頂です。

*卑弥呼の墓 掃き溜めの鶴か
 最後、唐突に「卑弥呼の墓」比定ですが、こんな雑駁なエッセイで発表するような半端な事項ではないはずです。数万、数十万の関係者が頼りにしている筈の畿内説纏向王宮説の大楼閣が、根底から覆る主張です。まるで、中東古代の英雄サムソンの神殿崩しの荒技です。

 しかし、折角タイトルに提示したものの、延々と導入部で与太話を流し続けたので、読者の意識はそっぽを向いていて、この場で何を主張しても、またもや夢想かと解釈され、お話として多少面白くても、とても信用できないどころか、まともに耳を傾ける気にならないのです。其の意味では、自滅エッセイでしょう。

〇結語
 やはり、本エッセイは、選外佳作どころか立派な論外不作であり、読者が本誌の該当ページを不良品として送りつけたら、版元は、品質保証として、その分返金すべきものでしょう。いや、ただの冗談ですが。

 念のため言うと、本号の各記事は、ここまで徹底的に無残な出来ではありません。私見では★四個なので、安心して購入してください。


                                以上

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