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2020年3月11日 (水)

新・私の本棚 番外 NHKスペシャル よみがえる邪馬台国 全三回 3/5

 番組放送年 1989年         2019/01/22  補充 2020/03/11

□第二回 追跡 倭国の大乱
*冗談半分
 この回は、仰々しく二千年の眠りから覚めた吉野ヶ里王国、などと、前振りをして開始します。NHKらしからぬ空騒ぎです。
 「倭」「國」「大」「亂」の屏風を背景に議論されますが、当時は慎重で、「倭人伝」に「倭國大亂」と書いてあったなどとは言いません。典拠は、中国史料と言い、倭人伝は、ほぼ唯一の資料としたから、よくよく聞けば、正確な発言になっています。但し、典拠が後漢書と言わないのが、不出来です。
 鉄鏃も、限定的で決定的でなかったという所に落ち着いて冷静です。

*不毛な人口論
 番組中で、興味深いのは、こうした「天下大乱」を左右したのは、それぞれの勢力の人口だったとする判断です。

 似た発言として、最近の新聞報道で蔓延る(はびこる)、スポーツの勝負は体格、体力(フィジカル要因)で決まるとする不気味な風潮があります。体格、体力の数値は、計量可能というものの、努力して強化できるものでないので下馬評で叩かれてもどうしようもないのです。スポーツには、体格、筋力で勝負がつくものもあるでしょうが、それなら、身体検査でメダルを決めれば良いのです。大抵のスポーツは、技術、戦略、そして、気力まで含めて競われているのです。いや、単なる例え話ですが。

 余談はさておき、当番組は、推定した勢力範囲内の推定した人口を確定したもののように図示して勝敗を決めつけていますが、余りに軽薄です。往々にして、歴史上の敗者は、自滅した例が多いのです。

 憶測でしかない、浅薄な数値データを安直に採り入れるのは、子供じみていて、感心しないのです。

*北枕の台頭

 興味深い発言は、墓制の地域ごとの違い、俗に言う地域性であり、それぞれの地域政権に地域葬制が整っていた裏付けとなります。俗に、これを地域「文化」圏と言いますが、「文化」とは文書によって継承、展開されるものであり、文字のない時代は「風俗」圏とでも呼ぶしかないところです。

 それはさておき、葬制の「枕」が、今日の近畿圏と中国地方では、北枕であり、北部九州と四国では、東西枕になっていたというのは、意義深い指摘です。結局、北枕が全国制覇したという趣旨なのでしょうか。

*纏向の飛び地
 後に発掘される纏向の大型建物は、その敷地が、東西基線で縄張りされたとされていますから、これは、東西枕風俗に属するものであり、後の飛鳥時代以降の大型建物が、南北基線で縄張りされていて北枕風俗と見えるのと、別の風俗圏に属していたことになります。

 先に挙げた遺跡地図に現れてないということは、纏向遺跡を構成した勢力は、一時的な東西風俗であり、飛び地のようなものであったかと思われます。

                              この回完

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