今日の躓き石 早すぎる祭り上げ 『竜王位通算7期の「レジェンド」』
2020/04/03
今回の題材は、掲載媒体が、全国紙でも公共放送でもなく、無料で拝読しているので、ことさら名指しはしないが、有力な将棋ジャーナリストは本当に数少ないので名指しに近いかも知れない。気に障ったら、大手メディアと同格の扱いということで、ご勘弁いただきたい。
要は、将棋界の大スター、永世七冠の持ち主を、いかに目下無冠とは言え、引退同然の過去の人として「レジェンド」呼ばわりは、大変失礼だと感じるし、目立たないかも知れないが、「おとろえ見せぬ勝ちっぷり」とは、老大家をいたわっている口ぶりであり、それぞれ程度は違うものの感心しないので、その旨指摘する次第である。例えば、引退後の加藤一二三氏を「レジェンド」と呼ぶなら、不適当と思う人はかなり少ないはずである。
いや、世間には、適切な言葉を知らないし、探そうとしない人の方が多いから、身辺の友達に呼びかけて多数決を採れば、分が悪いかも知れないが、広い世間では、かなりの数の人が、この言葉が、現役最高の棋士に対して失礼極まりないと思っているはずだから、言葉をちゃんと選んで欲しいと思うのである。
将棋ジャーナリストも、玉歩ならぬ玉石混淆で、中には、異分野外来の物書きがいて、一流棋士に「オールラウンダー」などと侮辱的な形容を、無頓着に持ち込む例があるから、これはこれで業界相場かも知れないが、題材の記事の筆者は、決勝トーナメントに勝ち進んで、福井に向けて着々と歩を進めている名棋士に対して、相応しい敬意を抱いているはずであり、もっともっと適切な言葉遣いができる方だと思うから、品の悪い口癖は、間に合ううちに直して、別に損は無いと思うのである。
以上
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