今日の躓き石 将棋界に呪いのリベンジ 正統派の血塗られた宣言
2020/04/05
本日の題材は、将棋界で、折角の大舞台での師弟対決というめでたかるべきニュースのタイトルと小見出しに「リベンジ」と二度塗りしている記事である。前回、現役トップ棋士を「レジェンド」と貶めることに苦言を呈したが、今回は、一段と悪質な「リベンジ」に、どうとばかり躓いたので、遙かに悪質な失言について、何か言わざるを得ないと考えたものである。
今回も、題材は、全国紙でも公共放送でもないので、名指しはしないが、わかる人にはわかるはずである。
正直に言うと、当該記事の「リベンジ」は、今となっては少数派で、絶滅危惧種のおじん用法であり、まさしく、血塗られた復讐の叫びであって、既に犠牲者は血祭りに上げられたのである。
おじん用法というのは、いまどきの「リベンジ」は、「も一丁」のチャレンジを言うのであり、犠牲者はでないし、血のにおいは遠いのである。それとも、棋界では、「恩返し」を「リベンジ」と呼ぶことにしたのだろうか。素人にはわからない。
そのような、血のにおいのない誤用を、ここまでにしばしばやり玉に挙げたのは、言い間違い用法を知らない世代は、「リベンジ」を、当然仇討ちだと誤解するし、英訳すると、宗教上の禁句になるから重大なのである。軽い気で言っていても、罪が遙かに重いのである。
今回の記事は、念入りに、新進棋士が意趣返ししたと書いているが、一流棋士はテロリストの真似はしないから、負かされたことを根に持って仕返しをしないと思うのである。棋界報道に限らず、報道の姿勢として悪意の血塗りはやめてほしいものである。いや、記事の筆者が、三流棋士だと言っているわけでは、多分ない。ことは、棋力の問題でなく、こころざしの問題と思うのである。
多分、記事の筆者を、誰もしっかり指導してくれないのだろうが、書いたものがそのまま公開される立派な立場にあることを自覚して、自己研鑽して、慎重に言葉を選んで欲しいものである。別に「頭の丸い」坊主になれというつもりもない。そうそう、まだ、校正AIは、出回っていないのである。
と言うことで、精々冗談半分の戯れ言を交えたが、よろしく自戒いただきたいという気持ちで書いたのである。
以上
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