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2020年5月12日 (火)

今日の躓き石 毎日新聞の心ない報道 「 リベンジ」さらしに終わりはないのか

                               2020/05/12

 本日の題材は、毎日新聞大阪朝刊第14版スポーツ面ど真ん中の記事である。『「絶好調時ケガ」似た心境』と誠に舌足らずの不出来な大見出しで、続いて、『リオ雪辱に全霊「東京」延期』と乱れた言い回しで、もう、不吉としか言いようのない、暗雲漂う記事である。

 それにしても、全世界がパンデミックの猛威に沈み、発病した直接の関係者でなくても、数限りない人たちが、自粛や自主閉店、さらには、失業による収入途絶で、家計の支えとしていた収入源を失って悲嘆に沈んでいるのに、ご当人は大会の延期しか頭にないのは、国を代表する選手にしては、何とも、貧しいこころざしである。
 余計なことだか、「いざラストスパート」などと、見当違いな語り口も不吉である。大会前にラストスパートなどしたら、肝心の本大会では、疲れ切った姿をさらすだけではないのか。素人考えながら、普通、万事調整して、本番にピークの体力を残すものではないのか。
 このように沢山字数が空転しているが、要は、パンデミックなんて言うが、こんなもの、全然大したことない、ケガしたようなもので、何、乗り切ってみせるさ、と言うように、ぱっと見に見えてしまう。
 ご当人は、収入面に何の不安もないのか、何とも暢気である。その余裕からか、世間に暴言を投げつけていると見える。

 大体が、大会延期に至る成り行き全体を、何かに恨みを抱くだけで乗り越えて仕返ししようというのだから、始末に負えない。自己中心は当人の勝手だが、それを、わざわざこうした形で、全国紙の閑散なスボーツ面に大きな顔のさらし者にするのは、毎日新聞としてどういうつもりなのだろうか。こうして紙面に出てしまったら取り返しがつかない。当人名義のSNSとは、格が違うのである。

 そうした気分の頂点で、かつて、「見ていろ、2020年にはぶち殺してやる」と「リベンジ」を誓ったらしいが、何とも、自分で自分に泥を塗る発言ではないか。それが全身全霊とは、情けない。テロに荷担して何とも思っていないのである。
 これは、手記だから止められなかったのだろうか。せめて、世間に恥をさらす、子供に負の遺産を残す、罰当たりな表現は、何とかできなかったのだろうか。

 担当記者は、この記事を世に出したことで、特に何にも問われないだろうが、署名付きで手記を寄せた当人は、記者の勝手な解釈という言い訳も効かず、一生、この不手際を自身の咎として背負っていくのである。何とか、それだけは避けて欲しかったものである。読者は、記者の名前など念頭に無いから、毎日新聞の紙面にぶちまけられた選手の暴言と汚名が残るだけである。

 今回の「リベンジ」は、本人の血と汗がにじんでいるだけに、大新聞の報道としては、何としても取り除いて欲しかったものである。せめて、もっと筋の通った記事を書いて、毒消しして欲しいものである。

 それにしても、荒れ狂った選手手記は、末尾で、何の断りもなく、署名記者のコメントに移る。ちゃんと内容を読み通しているのである。それはそれとして、急に文章の視点が変わるのは、誠に不意打ちである。どういうつもりか困惑するのである。毎日新聞は、そういう報道方針なのだろうか。

以上

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