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2020年6月18日 (木)

私の本棚 33 笛木 亮三 「卑彌呼は殺されたか!」改 1/2

~卑弥呼以死考~ 季刊「邪馬台国」第125号 2015年4月 梓書院
 私の見立て★★★★★ 力作にして必読 2016/03/06 分割再掲 2020/06/18

◯総評
 当記事は、魏志倭人傳に於ける「卑彌呼以死」の解釈に関する論考です。
 先行する諸論考を「軒並み」採り上げて論評している本体議論に関する意見は置くとして、笛木氏が諸説について考察を加えた後、ぽろりと感慨を漏らされている点に大いに不満を感じるのです。

*世間知らずの了見違い
 第8章岡本説の検証と私見 115ページ上段です。
 『今、「三国志」にある「以死」のすべてが簡単にパソコンで検索できるらしいのです』とよそごとのように述べていますが、ちょっと意外でした。

 この場で論説を発表するほどの識者が、ご自身で、論拠として用例検索していないし、しようともしなかったと見えるからです。続いて、「コンピューターは大したものです」と感心しますが大きな了見違いです。

*えらいのは誰か
 コンピューター(PC)がえらいのではなく、PCなどの「端末」を介して、ネットから世界中のどこかに貯蔵されているデータを確認できるのがえらいのです。更に言うなら、そういう仕掛けを作った人、従来秘蔵されていたデータを世界のどこかに貯蔵した人がえらいのです。
 平たくいうと、「ネット」の効用であってPCの効用ではないのです。大型コンピューターの所蔵データを端末機から閲覧した時代は去り、自宅のPCで、三国志を全文検索して、用例を全文検索できるのです。

*PCすら不要の世界
 これには、特に有償販売されているアプリケーションを購入する必要はなく、自宅のPCに導入されているWindowsに作り付けのインターネットエクスプローラーや無償で利用できるFirefox, Google Chromeなどのブラウザーを使用して、そうしたデータの貯蔵されているサイトにアクセスし、サイト作り付けの仕掛けを利用して検索を依頼するだけで、検索例を全部列挙させられる時代になりました。ご自宅のPCは、別にえらくないのです。使用する「機械」がMacであっても、Androidスマホであっても、大差ないのです。

*頼れる友人が肝心
 大事なのは、PCを買ってくるのではなく、だれか初心者に対して丁寧に教えてくれる人を持つことです。困ったときに手を貸してくれる友人が本当の友人である、と言うことではないでしょうか。こうしてテキスト全文検索が広く普及したのは、三国志で言えば、刊本を自由に利用できるテキストデータとして公開している団体、ないしは、個人がいるからです。

 三国志を出版している出版社は、当然、使用した全テキストデータを保有していますが、かなりの人・物・金を投じて構築したデータベースで、出版社の知的財産(著作物)であり、簡単に無償公開はしてもらえないものです。

*公開データの効用
 と言うことで、WikiSourceや中国古典哲学書電子化計劃などの公開データですが、すべてボランティアが入力したものであり、時として誤読はありますが、膨大なデータ量を思えば仕方ないところです。

*見知らぬ友人
 面識も交信もなくてもこうした努力を積み重ねた人たちは本当の友人です。

                                未完

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