陳壽(中国史)小論-13 (2013) 多女子
2013/09/27 追記 2020/06/05
◯国多女子
「國多女子大人皆有四五妻其餘或兩或三」
結婚記事で、陳壽は、裕福なものは全て四、五人の妻を持つ。さほど裕福でないものでも、中には二、三人の妻を持つものがいると丁寧に説明したのに、笵曄は、裕福なものは四、五人、さほど裕福でないものも、二、三人の妻がいて、総じて多妻と断言しています。見事な文飾ですが、無邪気な勘違いと見るべきでしょうか。
前段に、この国は女性が多いと4文字書き足して、反論や疑問がでないように根回しして周到です。
魏志倭人傳は、女性が貞淑で嫉妬しないと書いて、そのため、多妻家庭でも平和との示唆があり、笵曄は、この趣旨は継承していますが、流麗な加筆で多妻説を強調しています。
中国王家の例でも、多妻は、あくまで、国王の務めであって、当然発生する嫉妬の争いは、国の乱れに繋がるので、例えば、曹魏文帝曹丕は、嫉妬が激しいという理由で、夫人を何度か処刑していて、その一人は、明帝曹叡の生母なのです。と言うことになっているものの、あるいは、将来、自身の死後、皇帝生母として暴政を敷くのを怖れたものかも知れないのです。
今回は息抜きでした。
以上
« 陳壽(中国史)小論-12 (2013) 世世傳統 | トップページ | 陳壽(中国史)小論-14 (2013) 獻生口 1 »
「歴史人物談義」カテゴリの記事
- 私の本棚 大庭 脩 「親魏倭王」 増補 12/12(2022.12.13)
「倭人伝の散歩道稿」カテゴリの記事
- 「古田史学」追想 遮りがたい水脈 1 「臺」について 改訂・付記 3/3(2023.09.16)
- 「古田史学」追想 遮りがたい水脈 1 「臺」について 改訂・付記 2/3(2023.09.16)
- 私の意見 英雄たちの選択 ニッポン 古代人のこころと文明に迫る 再掲 1/17(2022.10.12)
- 魏志天問 1 東治之山~見落とされた史蹟の由来 再掲 4/4(2021.03.14)
- 魏志天問 1 東治之山~見落とされた史蹟の由来 再掲 3/4(2021.03.14)
« 陳壽(中国史)小論-12 (2013) 世世傳統 | トップページ | 陳壽(中国史)小論-14 (2013) 獻生口 1 »
コメント