今日の躓き石 毎日新聞野球記事の誤報 リモート「同級生」記事のふがいなさ
2020/06/11
本日の題材は、毎日新聞大阪朝刊第14版のスポーツ面である。ひっそり続いている「無観衆」練習試合の記事なので、スタンド観戦していない記者は、ネタに窮しているのかも知れない。
やり玉に挙げられているのは、もはや新人ではない、「若手」プロ野球選手の報道である。と言っても、別に大したことではない。偶々、本塁打が重なったと言うだけである。それを「3年目同級生」と見出しにするのは、実戦を長く見ていない記者の感覚がなまっているとしか思えない。
「同級生」とは、大誤報である。一人は、早稲田実業、一人は、九州学院だから、同じ教室で勉強したこともなければ、同じチームでもなかったのである。全国紙がつまらない誤用に加担してどうするのか、ということである。
プロ入りして3年目にもなって、高校時代の姿を引き合いに出される二人も迷惑であろう。担当記者は監督の戯れ言につられているようだが、それは、こども言葉に流されている姿であって、全国紙記者として大変残念な姿である。
ついでながら、日ハム監督のコメントは、何とも珍妙である。ヤクルトの三年目は、既に二シーズン39本の実績を持っていて、今季は開幕四番かと取り沙汰されてるほど堂々たる実力を示しているが、監督の言う選手は、10本すらほど遠い。
3年目を迎えて、新人を脱していないといけないのに、同期の先行者から半周から一周離されていて、誰が見ても不甲斐ない姿だから、「尻に火」どころか、全身火だるま状態のはずである。よほど、気迫に欠けるとみられているのだろう。これは、監督のぼやきなのかも知れない。
このあたり、監督のつまらない冗談をそのまま報道しているのは、記者の感覚がなまっているのであろうか。厳しく言うと、二年続けて期待を裏切った「期待の新人」に寄せる期待は、もうとうに消えているのである。毎年新人が加入しているから、不甲斐ない三年目はただの伸び悩んでいる若手であり、実力勝負の世界で立ち止まっていたら、チーム内の生きの良い後輩に追い越されるのである。それだけのことである。
と言う事で、三年目にもなっているのに高校時代の評判をつつき回している担当記者の感覚にはとてもついてけないのである。報道に値する新進選手をちゃんとした言葉で報道して欲しいものである。そして、もっと正しい日本語の維持について、真剣に勉強して欲しいものである。記者が新人なのか古参なのか知らないが、今回の記事は新米の不出来な記事に過ぎない。
以上
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