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2020年7月 9日 (木)

新・私の本棚 長野 正孝 古代史の謎は「鉄」で解ける  5/11

 『前方後円墳や「倭国大乱」の実像』 PHP新書 2015/10/30

私の見立て ★★☆☆☆ 傷だらけの野心作   2017/12/15 追記公開 2020/07/09

◯掉尾の観察 承前
この文章は明らかにトリックです。ここでわざわざ卑弥呼と書かないで「倭の女王」とし、「卑弥呼は神功皇后である」と宣言しています。

 いや、ここで壹與遣使も「倭の女王」なので、単純に女王「宣言」できず、仕方なく改竄演出したのでしょう。書紀編纂者の苦肉策を察すべきです。
 「この文章」=「トリック」とは、時代・概念錯誤のダブルトリックです。カタカナ言葉では「フェイク」ですが、時代錯誤で意味の定着していないカタカナ語は、真剣な議論には避けたいものです。総じて乱文です。

舎人親王の邪馬臺国をヤマトにしたいという意図が見え透いています。
 書いた当人には、目前に赤々と輝くイメージが見え透いているとしても、読者には何のことか理解できないのです。この語順では、舎人親王が邪馬臺国の男王と取れます。明解に書く努力は怠るべきではないのです。

卑弥呼は日本海ならば航海安全のシャーマン、ヤマトならば鏡の祈禱師でしょう。ですが、ヤマトの鏡の時代は一〇〇年ほどでブームは終わっています。

 古代に「ブーム」とは、時代錯誤で場違いで滑稽です。ヤマト(ここまでは、維持されている)の鏡の時代が、いつまでなのか、なぜ年代固定できるのか不明です。卑弥呼が化体すべき聖職も、根拠不明の妄想図と見えます。

そうしたことから見ても卑弥呼は、西日本の海洋都市国家の共通の利益である「鉄の安全輸送」に貢献した巫女(シャーマン)であると考えています。

 「そうしたこと」とは、対象不明であり、安易な括りです。

 巫女(シャーマン)と、ここで言い換えたのは不適切でしょう。卑弥呼は、「シャーマン「など知らなかったから、勝手な枠はめで迷惑だし、輸送安全に「貢献」とは、供物を差し出した意味か、とにかく用語が混乱しています。

天気と航海安全の祈禱、働いている場所は渡海すべき対馬海峡付近の日本海だったでしょう。その時代、航海安全の祈禱は国家事業です。

 卑弥呼は、現在形で、日本海海中で働く巫女なのでしょうか。(玄界灘や対馬海峡は、日本海と言い切れないのですが、付近はどのあたりまでか)

 毎度のダメ出しですが、当時、「国家」はなかったのです。「渡海すべき」と言い切っていますが、なぜ、卑弥呼が渡海しなければならないのか不審です。総じて、結論部にしては、大いに乱文です。

                               未完

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