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2020年11月10日 (火)

新・私の本棚 番外 毎日新聞「今どきの歴史」 感染症と考古学 1/2

  人口激減の謎に迫る   毎日新聞2020年11月9日 東京夕刊

 私の見立て★★★☆☆ 購読料相当ないしそれ以上のもの 2020/11/10

○切り出し
 毎日新聞夕刊文化面の月一歴史コラム「今どきの歴史」で、今回は「疫病ネタ」ですが、もう一つ趣旨が伝わってきません。切り出しから不吉です。

 崇神天皇陵とされる行燈山(あんどんやま)古墳(墳丘長242㍍)。疫病の渦中、こんな大古墳を造れたか? これも謎だ

コメント 何の謎もない。「造れない」。そうでなくても、大勢のおとなが一斉に農務を離れたら、農政崩壊の亡国なので、工事は農閑期に限ったと考えるのが自然ではないか。大抵、近郊住民が通いで従事していたのだろうか。

 むしろ、初期段階に「緊急・最優先」の工事に集中することで、疫病の広範囲への拡散を招いたと見るのが順当な考えではないか。言うまでもないが、病人集団に肉体労働を課するほど、非人道的な君主ではなかったはずである。

 と言うような切り出しで、考古学界の一部で、不確かな資料の不確かな解釈の上に込み入った「論争」が展開されているとの報道のようだ。不得要領で、「沙中偶語」と見える。記者は、読者に何を伝えたいのだろうか。

○結末への疑問 
 ここでは、記者が結語部分に置いた「結末」を批判させていただく。

 これに対し、夏号に掲載された下垣仁志・京都大准教授のメールは、(1)の崇神期(3世紀末~4世紀初頭ごろに相当)の逸話には後世の事実が使われた可能性があり、信用性が問題と述べる。

コメント 同感である。崇神期の時代比定は、不確かとしか言いようがない。

 その前提の上で、崇神天皇の宮殿「水垣宮」の想定地、纒向(まきむく)遺跡(奈良県桜井市)は「水の都」と呼べるほど水路の多い湿地で、「疫病にはひとたまりもない」と指摘。加えて、日本書紀に記された当時の朝鮮半島との交流ぶりが考古資料から確認できる上、この時期に畿内と共通の要素をもつ古墳が日本列島に広く拡散した事実を踏まえ、内外の交流の活発化という条件から「疫病の可能性はある」という。

コメント 時代が不確実で地形特定できない背景で何の議論かと不審である。

 湿地を形成するほど水路の多い土地の水はどこから来たのだろうか。それなら、ちょっと掘れば、地下水が浸潤したのではないか。なぜ、治水や下水排水抜きで運河導水して、水害必至、非衛生的と理不尽な居処を構えたのか。不可解、不可解。

 纏向は、建物群造成に始まり、箸墓以後の墳墓群の造成など、大規模土木工事開闢の地とされていると思うが、土地整備抜きで古墳を造成したのだろうか。そんな土地を平城京に先駆する「都」と浮かれるのも、不可解である。

 (2)の縄文の人口減についても、北海道に渡った南海産の貝輪や、福岡県で出土する新潟県産のヒスイなどを基に「縄文中期に広域ネットワークができていた」と、人の交流や接触の増加を想定。「疫病の可能性は十分考えられる」とした。

コメント 幻視された古代交通網「ネットワーク」は、時代錯誤の極みである。思い付きは検証第一ではないか。文字通信の無い時代、人の移動しか意思疎通手段がなかったはずだが、推定している「ネットワーク」に従事する人たちは、農地を離れて往来して、何で喰っていたのだろうか。

 言うなら、ものには足があって自律的に移動するので、人が持ち回る必要はない。駅伝のタスキの如く隣村交換を繰り返せば、遠方まで伝わる。あるいは、少し足を伸ばした行商人で十分である。「巨大交通網」は不要である。
                                未完

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