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2020年11月 5日 (木)

新・私の本棚 七田忠昭 吉野ヶ里遺跡と邪馬台国 季刊「邪馬台国」第138号 改 1/3

梓書院 2030年7月刊 吉野ヶ里遺跡指定30周年記念シンポジウム 2020/07/05記 追記2020/11/05
「邪馬台国の今 ~弥生時代の研究のFrontline~』

私の見立て ★★★☆☆ 良心的で開明的

◯はじめに
 七田忠昭氏は、佐賀城本丸歴史館館長であり、考古学者として中国史料と親しんでいない旨明言されています。しかし、責任ある地位の方として、公開の場で講演するからには、当然、十分予習されての上と考えます。
 当記事は、掲題シンポジウムでの講演内容ですが、公式見解に対する批判を加えさせていただくことをご容赦下さい。

 本記事は、邪馬台国誌の七田氏論説の「図」で触発された議論ですが、表明されたのは氏個人の意見ではないことは承知で、格別に率直に批判するものです。

 と言っても、「図」自体の批判ではありません。近来氾濫しているまやかしの「イメージ」などでなく、概念図としての氏の思考の図式化は大変参考になるのですが、氏の古代史概念が錯綜していることを指摘しているのです。

◯時代錯誤の由来を探る
 図の懸念は、「邪馬台国」(倭人伝に言う邪馬壹国)が二重基準で書かれてことです。つまり、領域を持つ「国」、邪馬台国の領内に「倭」と邪馬台国の宮殿がある図式です。縦長楕円形内に〇二つの表現自体には不満はありません。倭は、諸国連合らしいし、両「宮殿」は環濠集落らしいのです。

*国と畿内
 当時の中国史書では、中原天子の畿は、天子王城を中心に半径千里の領域なのです。
 天子の威光は、光芒の如き直線的な距離に及ぶものですが、蛮王に威光はないというものです。

 東夷伝の高句麗は「方二千里」ですが、あくまで、耕作地の集成であり、耕作地外の地を含まないと見えます。敢えて、後世概念で、領域の広さを問うと、「方五千里」相当になるのではないかと思量します。つまり、国土の大半は「耕作不適」ということです。

*戸数と方里
 耕作地の面積(方田)は、全国戸籍を合算すれば、概要を知ることができるから、戸数に連動して、集計されていると思われます。つまり、農業生産力、獲れ高と動員可能な男子数が、国力指標として示されたと見えます。

 当時の蛮夷「国」は、領域面積では把握されていないと見えます。

*戸数錯解
 描かれた広域「邪馬台国」は勘違いで、「宮殿」が「邪馬台国」でしょう。

 倭人伝から「邪馬台国」戸数が、「可七万余戸」(正確な数は不明。憶測して七萬程度)と速断している解釈は、不合理な憶測とわかります。「邪馬台国」の姿を「王の居処」と見定めれば、それは一個の環濠集落であり、七萬戸の戸数は到底あり得ないとわかるのです。「邪馬台国」を、漢制の国と同一視、誤解しているから読み損なうのです。
 是正すると、「邪馬台国」戸数は千の桁、ないしはそれ以下となるのです。

*戸数談義
 ここで、戸数の概念を見直すと、先に確認したように、戸数は、本来、耕作地面積や成人男子の人数に、強固に連動しているのです。

 しかし、王の居処「国」の耕作地面積は無意味です。現代風に言う「公務員」を抱えていて食糧自給できず、収穫物を徴税はできません。

 また、古来、「首都圏」とみた「国」民は、凡そ税を納めないのです。大半が、国の「給与」で生計を立てているから、そこから「税」を取るのは無意味です。免税は、城内市、後の都市(といち)の振興に効果があります。

                                未完

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