« 新・私の本棚 藤田三郎 吉野ヶ里遺跡と邪馬台国 季刊「邪馬台国」第138号 2/3 | トップページ | 倭人伝随想 3 倭人への道はるか 数の話 1/3 改 »

2020年11月 7日 (土)

新・私の本棚 藤田三郎 吉野ヶ里遺跡と邪馬台国 季刊「邪馬台国」第138号 3/3

 唐古・鍵遺跡から見た邪馬台国 吉野ヶ里遺跡指定30周年記念シンポジウム
 梓書院 2030年7月刊 2020/11/07記

 私の見立て ★★★★☆ 良心的で開明的 考古学の王道を示すもの

*ゆるやかな共存と発展
 最近しみじみ思いますが、それぞれの地域社会は、自身が「世界」であり、手足の伸びる範囲が天下の時代が長かったはずです。ここで言う、「北和」、「南和」、「葛城」は、それぞれ、盆地壺中天から外界/下界につながる際に、別の経路を持ち、異なる産物を採り入れ、それぞれの得失有無を、それぞれの市での売買、等価交換などを通じて補い合っていたはずです。

 互いのつながりが維持されれば、殺し合い奪い合う「乱」は起こりません。「乱」は、外敵の仕業でしょう。西方の山並は、長年に亘り、まほろばの里を守る青垣であり、大和川水運や峠越えの不便は言えなかったはずです。

○精神文化の謎
 文字のない時代の遺跡、遺物ですから、文字情報は残されていないので、「文化」は存在しないはずです。まして、「精神文化」など、記録も何もない、後世人の夢想であり、考古学の埒外の呪文は控えた方が良いと思います。
 因みに、世界唯一の「文化」が実在したのが中国ですが、理解するには、中国語読み書きに通暁し、四書五経を諳んじることが要求されたので、文字の無い蛮人に伝わることはなかったのです。この点を理解しないと、古代史で意味のある論考はできません。

*貧弱な言語思想
 それにしても、「日本ライズ」、「倭化」とは、口頭で伝えられたら、一向に理解できず、紙上で文字を見ても、何のことか理解の限界を超えています。

 まずは、当時、「日本」は、影も形もなかったことを肝に命じていただきたいものです。それとも、考古学では、日本列島上は、時代に関係無く「日本」と称するのでしょうか。業界符牒という事でしょうか。

 「日本ライズ」とは、「日が昇る(サンライズ)」という趣旨でしょうか。ちなみに、英語でJapan化することは、時として、乱暴にJapanizeというのですが、だからといって、この時代を日本ナイズというのは、愚の骨頂です。

 また、当時、漢字がなかったから「倭」と書いても発音できないのです。講演者として不用意です。原稿チェックは、しなかったのでしょうか。

 ふりがなも何も付されていないので、当日、どのように発音したのかわかりませんが、「わか」なら、聴衆は「若」と解するはずです。また、「倭」なる文字自体なかったのから、講師が「わ」なり「ちくし」なり「やまと」なり発音するのは、愚の骨頂です。

 以上、氏ほどの碩学が、うろ覚えの言葉で、子供の寝言みたいに「つたない」、聴衆に意味の伝わらない言い回しを、熱心な古代史研究聴衆の前で披露するのは、一種自業自得とは言え、いい笑いものです。ここに誌上掲載されたのは、本紙編集部が居眠りでもしていたのではないかと懸念されます。

 愚行は広まらないうちに是正すべきものです。氏の名声を穢さないように、率直な苦言を呈するものです。

○まとめ
 講義自体を言うと、他で得られない大量の知識をいただいたので(用語の瑕瑾を除けば)絶賛するのです。

 特に、マスコミを掻き立てて世上を騒がしている、言うならば「纏向天動説」が、奈良盆地のごく一部の現象に過ぎないことがわかって、久しく伝統されている学会の王道に気づき、感動しました。それにしても、「唐古・鍵遺跡から」邪馬台国は見えないとは、痛快でした。

 差し挟んだ考察は、氏の講義で触発された夢想です。考証などできないから単なる思い付きです。
                                以上

« 新・私の本棚 藤田三郎 吉野ヶ里遺跡と邪馬台国 季刊「邪馬台国」第138号 2/3 | トップページ | 倭人伝随想 3 倭人への道はるか 数の話 1/3 改 »

倭人伝随想」カテゴリの記事

季刊 邪馬台国」カテゴリの記事

新・私の本棚」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 新・私の本棚 藤田三郎 吉野ヶ里遺跡と邪馬台国 季刊「邪馬台国」第138号 2/3 | トップページ | 倭人伝随想 3 倭人への道はるか 数の話 1/3 改 »

お気に入ったらブログランキングに投票してください


いいと思ったら ブログ村に投票してください

2022年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

無料ブログはココログ