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2020年12月26日 (土)

今日の躓き石 朝日新聞将棋記事の『忌まわしい「リベンジ」』を歎く

                                2020/12/26

 今回の題材は、大変珍しいことに、朝日新聞デジタルの将棋報道である。ここで文句を言わざるを得ないのは、肝心なところで的外れだからである。

 豊島竜王が羽生九段下して4勝目 村山七段が激戦を解説
 躓いたのは、次の一行である。 
 「豊島竜王は、竜王戦七番勝負に続き、A級順位戦でも羽生九段に勝利。羽生九段からすると、竜王戦敗退のリベンジを、今回は実現できなかった形となってしまった。」

 他社主催とは言え、将棋界が最高に遇している「竜王戦」の番勝負と、二紙共催の最高棋戦とは言え、予選たる順位戦が同列とはどういうことか。竜王戦は名人戦と同格でないのだろうか。というのは、随分な言い草であるが、まあ、当方は、ただの野次馬であって、竜王戦関係者でもなんでもないので、ことさらこの場で言うほどではない。お目汚し御免。お忘れください。

 それはさておき、ここで、羽生九段の動機を個人的な復讐心と捉え、口汚く「リベンジ」狙いと罵るのは、共催紙看板記者の筆とは思えない。一流棋士が、個人的な復讐心を糧にしていると決め付けるのは、事実報道では無く、記者の勝手な「逃げ」であろう。当読者は、そんな安直な記事は、全国紙の紙面で読みたくはない。(タイトルでは、村山七段と謳い上げているが、会員向け記事の予告部分の一文は「解説」でなく記者の口説である)
 記者は、かって、第28回将棋ペンクラブ大賞を受賞しているが、今回の記事のこの一行は、氏の業績に陰りを投げかけているように見える。安直なカタカナ言葉に染まらないで、安直な決め付けに逃げないで、ご自愛いただきたいものである。

 因みに、名人戦共催の毎日新聞の順位戦観戦記は、羽生九段の当今の人気高揚に対して、「同情論」で募っているのだと、バッサリ切り捨てている。居酒屋で言い立てるような個人的な感想を、全国紙に掲載できる特権を悪用しているのである。
 この点、当記事は、報道を核心としていて大違いである。毎日紙の独善は、他山の石としていただきたいものである。

以上

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