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2020年12月 3日 (木)

新・私の本棚 番外 藤江かおり 「邪馬台国の所在地論争」に歴女が少ない理由 1/1

 ダイヤモンドオンライン 「連載コラム」の著者に聞くシリーズ、第3回
 古代史最大の謎「邪馬台国の所在地論争」に歴女が少ない理由

□おことわり
 当記事は、フリーライター岡田光雄氏の著作であって、藤江氏の原稿そのままではないので、番外も良いところですが、広く読まれるはずなので、最低限のダメ出しをしました。

○誘い水 「」内は、フリーライター 岡田光雄の地の文
「邪馬台国はどこにあったのか――。日本の古代史を語る上で永遠のテーマの一つだ。だが、古代史研究の学界は旧態依然とした“男社会”で、女性の視点がほぼ皆無だという。そうした中で新しい風を吹き込む一人の女性がいる。各媒体で人気の「連載コラム」の著者に聞くシリーズ、第3回は古代史の総合雑誌『季刊邪馬台国』(梓書院)で連載中の「オトナ女子のコラム 晴れ、ときどき、古代史」の著者・藤江かおり氏だ。」

 と言う事で、一般読者に「古代史の世界」を紹介する記事が始まります。

*第一の謎 古代史の二大潮流 「」内は、藤江氏談話引用
「古代史の世界は一人一説といわれるほど、さまざまな解釈があります。あくまで主流派の傾向としての話ですが、九州説を唱えているのが文献学界(文献学派)、畿内説を唱えているのが考古学界(考古学派)です。また、(中略)文献の中でも『日本書紀』や『古事記』など日本の書物を根拠に主張しているのが九州説の文献学派、その一方で中国の文献である『魏志倭人伝』を根拠としているのが畿内説の考古学派ともいわれています」

*コメント~不可解な割り切り
 この議論は、中の人である藤江氏が、中略部の言葉である「少しややこしい」潮流を読み解いて、解明して下さっているようですが、何か誤解されているようです。これは、公式見解でしょうか、藤江氏の私見でしょうか。

 「邪馬台国」は、国内史料には一切出てこないので、ここで言う「文献」派は、「魏志倭人伝」に立脚する九州説と思うのです。そして、国内史料の伝統的な解釈に影響された考古学の「一派」を岩盤として、そこに邪馬台国を取り込もうとしているのが、畿内説だと思うのです。
 以上は、特に、偏見のない意見と思うので、ご一考いただきたいものです。

*第二の謎 象牙の塔の斜影 「」内は、藤江氏談話引用
 「古代史研究の世界の一部では、力のある学派が支持している説に異を唱えると、学界内で出世できなかったり、仕事が振られず十分なお給料をもらえなかったりなどもするようです。本来、文献学や考古学などを複合的に考察することで歴史は見えてくるものですし、『A or B』ではなく『A and B』という考え方のほうが視野も広がるはずなのに…。(以下略)」

*コメント~蟷螂の斧
 まずは、当ブログが取り上げる「躓き石」の一例ですが、『A or B』、『A and B』の解釈が、本来の意味とずれています。

 『A or B』は、A,Bの何れかが成立する範囲なので「広い」のであり、『A and B』は、A,Bの両方が成立する範囲なので「狭い」のです。最悪、成立する範囲がなくなります。「論争」は、大抵そうなっていますから、無意味な提言なのです。

 文系/理系と言いたいでしょうが、このは理系固有です。無批判な聞きかじりは、大抵、誰かの早合点を引き継ぐ共倒れになるので、誰でもわかる普通の言葉にされた方が、間違いなく趣旨が伝わるのです。

 言う方と聞く方が同じ理解(誤解)をしていたら、そのままで意味が伝わるから、これで良いとして過ごされるのでしょうか。勿体ないことです。

 因みに、「学派」至上、「党議拘束」は、アカデミック世界全般にざらであり、古代史分野は可愛いものです。「象牙の塔」は、今も健在です。私見ですが、大規模な企業は、社員の人数が多いので、ご指摘のしがらみは、むしろ希薄です。慣用表現は、いくら先例があったとしても、無批判に追従していると、汚れ雑巾で顔を拭いたり、路傍の溜まりに入浴したりすることになるので、十分吟味した上で、採り入れていただきたいものです。

                               以上

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