新・私の本棚 番外 「英雄たちの選択新春SP “ニッポン”古代人のこころと文明に迫る」再論 2019 2/7 改
2017..2019/01/03 記2019/01/13 追記 2021/01/03
*「磯田史観」概観
近年NHK歴史番組に登場する「歴史学者」磯田道史氏の古代史に関するコメントは、当番組に限っても、時代錯誤で軽薄です。
思うに、氏が本当に通じている時代は、近代、それも、江戸時代中期以降の豊富な古文書史料に基づく、大変限られた範囲であり、古代史に関しては素人、つまり、自任しているように子供時代以来の古墳ファン、マニアでしかないように思えます。
氏は、古代史番組を仕切るだけの学識も器量を持ち合わせていないらしく、無理な時代錯誤の歴史観を、それも、現代でも、一部の閉鎖的なコミュニティでしか通用しない概念を、前触れなし、出席者の意見と合わないのをぶちまけて、何が伝わると期待しているのでしょうか。
同情するならば、氏は、そのような乱暴な、現代人の(一部、古代史愛好家の)俗耳に訴える言い回しを売り物にしているのでしょうが、NHKの特番は、低コストでそれなりの部数売り上げが見込める安物新書ではないので、つまらない猿芝居をしているのは、もったいない話です。
*場違いの記
再放送の間に、磯田氏の著作二作が、映画化されたのを楽しく見せて頂くました。江戸時代で古文書資料が豊富に残っているのでしょうが、大がかりで、しかも、現実味、説得力のあるドラマが構成されているのは素晴らしいのですが、それは、あくまで、時代背景や人情が現代に通じるものであり、観客も読者も、登場人物の情感を察することができたからです。
三世紀や四世紀の古代は、そうした「察する」ことのできない世界なのに、しきりに、現代語やカタカナ語で古代を塗りつぶす司会者の芸風は、場違いなのです。当番組のイリュージョン志向は、場違い概念の塗り込めすぎになっています。
それとも、氏の古代世界観は、映画化された仙台藩の一宿場や加賀藩勘定方の縮小版で満ち満ちているのでしょうか。
未完
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