今日の躓き石 「囲碁界に渦巻く怨念復讐の渦」を思わせる 毎日新聞の「リベンジ」蒸し返し
2021/04/03
今回の題材は、珍しく毎日新聞大阪朝刊総合・社会面の囲碁関係の記事である。
何しろ、看板の本因坊戦挑戦者決定記事の見出しであるから、全国紙としての面目躍如たる報道であろう。
それにしては、二期連続「リベンジしたい」とは、何を言いたいのか、意味不明である。編集部で、誰もダメ出ししなかったのが、不思議である。ここでは、どうも、「リベンジ」は、再挑戦の意味でなく、怨念復讐という血なまぐさい言葉のようであるが、「リベンジしたい」とは、血の海に沈めてやり「たい」という「願望」なのだろうか。滅多に見かけない言い方である。「したい」ではなく、「するぞ」ではないのだろうか。なぜ、誰でもわかる言い方をしないのだろうか。
持って回った言い方をしなくても、挑戦する以上は、「是非とも勝ちたい」というのではないだろうか。いや、挑戦者もタイトル保持者も、負けたいと思うはずはないから、「勝ちたい」という思いは、言うまでもないことなのである。
それにしても、タイトル保持者の九連覇目を実現させた前期の敗退を、(自身の力不足と言わず)不当な屈辱と捉えて、今期は、仕返しでぶちのめしてやると言うのはどんな志なのか、大変不審である。普通、このような場合には、雪辱とか仕返しとか、言わないはずである。
しつこいとがめ立てであるが、ここまで、汚い言葉をことさらに目立たせていると、一言言わざるを得ないのである。
いや、天下の毎日新聞が、引用している談話から見出しを起こしているから、挑戦者の発言の忠実な報道と見たいところであるが、毎日新聞には、今年の選抜の報道で、東海大関係の二校の対戦に際して、地元記者が地方版サイトで報道している談話にない「リベンジ」を、スポーツ面担当記者が「創造」した事例があるので、この発言引用も、勝手な決め込みかも知れないのである。
挑戦者の人格を疑わせるようなとんでもない不穏当な汚い言葉の発言を、担当記者が「創造」したのではないかという疑惑は消えないのである。
何にしろ、この記事で見られる表現の混乱は、目を覆わせるものがある。
「囲碁界の頂上決戦」には、相応しい頂上報道が望まれるのではないだろうか。人ごとながら、大変気がかりである。
以上
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