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2021年7月19日 (月)

新・私の本棚 番外 英雄たちの選択 「古代人のこころを発掘せよ!!」 3/3

私の見立て ★★☆☆☆ 「フェイク」蔓延の予兆 2021/07/19

*関東の独立性
 当時、ヤマトは、関東を権力支配していなかったとは。素直な考証である。
 ヤマトが、墳丘墓を構築する技術者を、関東に派遣したとしたら、精々、工事請負だったということのようである。関東は、例えば、鹿島神宮の影響力で、会津方面に進出していたから、その技術が伝播したかも知れない。
 往き来するのに一年以上かかるヤマトが、例えば、関東の北の会津に影響力を及ぼせるものではないのであるから、当然の推定である。

*神がかりの高上がり
 そこで、突然神がかりの発言があって、「突出して高いもの、大きなものは、人々の理性を麻痺させた」と称しているが、根拠も意義も不明である。
 古来、奈良桜井の三輪山は、親愛と尊敬を受けていたはずである。麓に小山を築いて尊崇の念を奪王としたと言うが、賛歌を献げる歌人は出たろうか。
 荒俣氏は、「遠近法」に基づく錯覚を提案しているが、現代人の妄想を当時の人たちは知らなかったから、趣旨が不明なのである。

*史実の取り違え
 因みに、磯田氏は、ニューヨークの自由の女神を、アメリカのモニュメントとしたが、実は、仇敵イングランド王国から果敢に独立する努力を支援したフランス共和国が、両国の盟約を記念した贈り物である。場違いである。

*虚空のモニュメント
 松木氏は、墳丘墓を媒体(medium)にヤマトのココロを全国に発信したように言うが、各地が同調し共感しなければ「送りっ放し」で何も伝わらない。せめて、武装伝道師を派遣して、手足と汗で稼ぐものではないか。
 それにしても、莫大な労力と物資の投入を、口答指示で伝えたというのは、まるで呪術である。いや、ここだけの話ではないが。

*横穴式石室の革新性~中国史料に記載なし
 横穴式石室の工法革新を掘り下げていないが、墳丘墓造成方法変革は、技術確立に要する試行錯誤を思うと、いずれか、先進地で確立された技術を身につけた技術者集団が渡来したと見るべきである。番組では無視されたが、横穴工法は、平地に墓室構築して石詰み盛り土で埋設した合理的工法と見える。

 墳丘頂上まで機材を持ち上げて掘り下げ埋設する素朴な技術とは雲泥である。そもそも、頂上は風雨や地震被害を受けやすく耐久性に疑問がある。

 後世の石舞台を見ても、巨石墓室に盛り土したのは明らかで、何れかの時点で、設計思想が「進化」し旧弊は淘汰されたと思うのである。

*墓誌の無い貴人墓の怪
 墳丘墓は大陸由来と言うが、貴人の事績を墓誌に残していないのが不審である。曹魏では、薄葬により、墳丘を廃したが墓誌は必須である。なぜ、「日本」は、葬礼の必須事項を学ばなかったのだろうか。

 他の番組では、文書考証に弱いことを露呈した松本氏であるが、先行と思える遺跡考古学で、学識を出し惜しみしているように見えるのである。

*先入観の無い解説を求む
 結論を言うと、古代人とココロが通じている気がするのは、現代人の先入観で遺物、遺跡をこね回しているからであり、出席者は、一連の古代史番組を通じて何も学んでいないし、何も視聴者にもたらしていない気がする。

 それにしても、ここにしばしば展開されたような、現代人視点に汚染された歴史観は、後世に伝えたくないものである。

                                以上

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