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2021年8月16日 (月)

新・私の本棚 高柴昭「邪馬台国は福岡平野にあった」10/12 臺論6

 「通説に惑わされない21の鍵」(文藝春秋企画出版)2015年4月刊 
私の見立て ★★★★☆ 総論賛成、各論疑義  2021/08/14

 この書き方から見れば「南、投馬国に至る」……は行ったのではなく、……方向を示し……、「南、投馬国に至ること水行二十日」……は「邪馬壹国」への道筋……に必ずしも必要ない……のです。……この一文を除いても「邪馬壹国」への道筋に……影響が無いことになります。従って、この部分を除いて……みれば「東行不弥国に至ること百里。南、邪馬壹国に至る、女王の都する所。水行十日・陸行一月」となります。……「不弥国」に続いてその南に「邪馬壹国」がある事が明確ではないでしょうか。……距離が書いてないのは……五百里、百里、百里と来て最後はゼロだ、と……なると思います。そうして女王国の所在を示した後に、所要総日程は水行十日・陸行一月であると述べて……います。そして……郡治からの総里程が万二千余里……です。……実に簡潔で分かり易いのです。

 ここまで、東夷蛮人の理解で文章を組み立て直し、解釈の視点をひねくり回しておいて、恐れ入谷ですが、氏の解釈のどこが「簡潔」なのか不明です。
 最後に、「ユーレカ」ばりに、天啓を得て、文章解釈が完成したと言いますが、素人には、何も見えてきません。
 このような隅っこで、事のついでに延々と論じる話題ではないのです。

不足の里程はどこにあるのか
 ……「不弥国」までで合計一万七百余里でした。……「郡より女王国に至る、萬二千余里」とは差があるではないか、とする疑間が生じます。この疑問は古田氏の解読で解決することになりました。氏は魏志の行路を丹念に読む中で、陳寿が行路の途中にある「對馬国」を「方可四百除里」、「一大国」を「方可三百里」と記述している所に着目されました。陳寿は島を点としては見ずに面積を持った広がりがある所という捉え方をしており、従って理屈の上では島に上陸して島を半周して反対側に抜けたと考えたのではないかと推測されたのです。

 この部分は、古田氏の解釈に、ほぼ無批判で追随して、批判が困難ですが、率直に言うと、古田氏の里数計算は、概数の理屈を放念して失当であり、高柴氏が、それを根拠に、端数里数をこじつけて勿体ないところです。別記事で丁寧に批判したので、ここでは結論だけですが、意見は明記しておきます。
 それにしても、陳寿が、島に広がりがあると捉えたとは、奇想天外です。

 そうすると、「對馬国」を半周して八百里、「一大国」を半周して六百里、合計千四百里になります。……海も島も見たことが無いと思われる陳寿のことですからやむを得ないのではないでしょうか。先の合計に千四百里を加えると一万二千百余里になります。元々余里という概数を含んだ計算ですから最後の百は省略、或は切り捨てて万二千余里としたのでしょう。……史書として……は正確な記述となっています。……陳寿は魏使の報告書等を……三国志に反映したことが伝わって来ます。惜しむらくは、陳寿が「邪馬壹国」がかなり南方にあると思い込んでいたと見られることです。

 史書の書法は理解したとの自負心で、陳寿の勘違いと付け回ししています。同時代随一の史官が、長年推敲した記事を、現代の素人夷人が、速断の高みから講評するのは僭越です。
 初学者、夷人は、分を弁え、謙虚に語るべきです。幾千万の石つぶてが還って来そうですが、数が勝つものではないのです。

                                未完

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