今日の躓き石 毎日新聞五輪報道の汚点 ゴルフ敗者のリベンジ願望拡散
2021/08/02
本日の題材は、大変残念なことに、毎日新聞大阪朝刊14版スポーツ面の「東京2020+1」と題した第十日報道のメイン、ゴルフ競技報道の一部である。連日の大量の五輪報道で、順調に節度のある報道を重ねている毎日新聞の大変残念な報道である。ほんの一コマなのだが、全紙面に泥を塗る失態である。
但し、銅メダルを逸した名選手の報道ではない。当然、悔しさの塊だったろうが、つまらない発言をしなかった、となっている。適切な報道である。また、マスターズで惜敗した金メダリストの報道にも、特に批判することはない。もちろん、「これでオーガスタの借りを返した」とも一切言っていない。個人的な感情の発露の場でないことは、わかっているのである。
当紙面で問題にしたいのは、38位に敗れた選手の談話が、「リベンジしたい」と大恥を曝していることである。
ここまでの「不成績」だから、勝者に対して根に持って仕返ししてやろうなどは、大変な筋違いである。それとも、上にたった37人に対して、一人ずつぶちのめしてやりたいということだろうか。しかも、「してやる」、今に見ておれ、ではなく、「したい」と軟弱な願望表明では、重ねて不名誉である。オリンピックは、選手に選ばれて、国の名誉を背負って出場することに、最大の意義があるのではないか。
いや、発言全体の流れからすると、選手の勘違いが漏れ出したのかも知れないが、この記事のたてかたでは、つまり、毎日新聞の書き方では、選手が本音を漏らしたことになっている。
少なくとも、この発言は、当人の業績として末永く語り継ぐべきものではない。不名誉そのものである。
一国民、一読者としては、負けたときに、このような不都合な発言をする選手が、選ばれるべきではなかったという気になるし、このような不名誉な記事で晒し者にすべきではなかったという気にもなる。いや、たった一語のために、大変、後味の悪い記事である。まして、不都合な言葉を見出しにする毎日新聞記者の感覚が、大変不吉である。
いや、選手談話の報道だから、毎日新聞の責任ではない、選手の責任だというのだろうが、全国紙が、わざわざ、このようにでかでかと報道したのは、選手の恥を全世界に拡散するのが目的ではないと思うので、これは、毎日新聞の絶大な不手際と言わざるをえない。
毎度のことだが、毎日新聞は、担当記者の書いた記事を無校閲で掲載していて、署名記者の責任と逃げるのだろうか。
ここにこのようなお手本を示したら、多くのこどもたちが、負けたときには、このように悪態をつくものだと思うのである。
全天に広がる晴天に、この一点の暗雲が不吉さを広げていることに、毎日新聞が気づいてくれるのを望むだけである。
以上
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