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2021年9月14日 (火)

新・私の本棚 川村 明「九州王朝説批判」抜き書き/ページ付け 1/9

 ~七世紀の倭都は筑紫ではなかった サイト記事批判

2016/03/20 2018/05/05 2019/03/01 04/20 2020/06/24 2021/09/12改稿
私の見立て ★★★☆☆ 賢察に潜む見過ごしの伝統

▢「九州王朝説批判」抜き書きの弁
 当記事は、書籍の批評ではなく、川村明氏の個人サイト記事の批判ですが、個人攻撃でないと了解いただきたい。
 最近閲覧件数が伸びているので、全体の言い回しを調整の上、追記し、再読して、部分的に取りだして、9ページに分割の上、再掲示しました。

*「古田武彦 九州王朝説」批判の由来
 因みに、川村氏の記事は、古田武彦氏の主張の各条批判なので両大家の角逐に口は挟めないのですが、論議起点たる史料確認が不十分なまま書紀記事の吟味に没入、注力して、私見では、些末、細瑾に囚われているので、論争の原点を見直して頂きたく、ご再考を促す趣旨で筆を執っています。(古田武彦氏は、既に故人になられましたが、氏の後継者は健在なので、聞く耳があれば、ご一考頂きたいのです)

 ここに書きまとめた当記事は、倭人伝から隋書にいたる中国史料を基点とした考察であり、日本書紀は検証を要する外部文献です。史学の基本である史料批判抜きの「書紀」視点で進めた解釈と異なる起点から解釈を試みます。

追記:まず、ここまで言いそびれていた批判を一つ述べます。
 第2章 七世紀の倭都は筑紫ではなかった(Historical)

〇「倭都」は無かった。 追記 2021/09/12
 「中國哲學書電子化計劃」の収蔵史料の全文検索で「倭都」なる漢語は見つかりません。つまり、古代史において「倭都」は無法であり、ここに掲示していると著者の見識を疑われるのです。

*「都」の字義
 端的に言うと、「都」の示す意味は、殷周代以来変遷を重ねています。
 「都」は、本来、「すべて」、「つどう」の意味です。転じて、地域の交通、市糴の要(かなめ)を「都」と形容し、それが王城、王居の意味となったようで、時に、古代王朝の王の居所を示す意味で使われることはあったのです。

 但し、天下形勢変動に応じ、時代、状況に即して意味が異なるので、書き手と読み手の理解のずれ、つまり、誤解を招きます。例えば、唐代編纂の俀国伝で「都於邪靡堆」と書いた趣旨は、時代、状況不明の最たるものです。

*日本語に残る古代語
 日本語には、隋唐代の中国語が生き残っているという説が在りますが、日本語の「都」は、時代を経て風化し、今日、単に大きな「街」(まち)と解され、「商都」「工都」など、各地に、色とりどりの「みやこ」ならぬ「まち」が言い慣わされるため、国家元首居所は、特に「首都」と言わざるを得ないのです。この場合、「都」は最上位の「まち」、《東京》と解されても、「東京都」は、最大の地方公共団体に過ぎないのです。

*無理な造語
 氏の見解は、(中国)史料に根拠の無い造語を起用しているので、はなから無効であり、疑問点を克服し、考え直して頂く方が良いでしょう。

 隋書「俀国伝」収録の裴清記には、当然「倭都」はありません。また、魏志倭人伝の従郡至倭行程に「倭都」はなく、東夷蕃国の倭に至高の「都」があったとする確たる記事があるわけでもないのです。

 以上、広く諸史料を読みふけって総括した論議で、明解な論拠が示せないので温めていたものですが、この際、言うことに決めたのです。

 氏の潤沢な考察の瑕瑾をつくようで恐縮ですが、遅まきながら、史眼のブレの可能性を指摘しておきます。

                               未完

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