今日の躓き石 パラ閉幕、続く毎日新聞「リベンジ」蔓延の負の遺産
2021/09/08
本日の題材は、毎日新聞大阪朝刊12版スポーツ面の輝かしかるべき記事であるが、乱暴な大見出しで、大変残念、と言うか、選手の顔に泥を振る無残な記事になっている。でかでかと、「リベンジ」宣言して賛美しているのは、何とも、血なまぐさいのである。
本来、毎日新聞の良心が、このような無残な報道を抑えるはずなのだが、当記事では選手が晒し者になっている。恐らく、年若い、世間知らずの選手が漏らした談話を、未熟な記者が勘違いして見出しにしたのだろうが、なぜ、誰も止めなかったのだろうか。全国紙編集部に、良識ある校閲者がいないはずはないと思うのである。
日本のスポーツ界では、負けを屈辱とし、復讐を誓う汚らわしい言葉を美談に勘違いする悪しき習慣が蔓延しているように思う。つまり、一部指導者が、そのようにけしかけているのである。
だから、個々の選手が、何も知らずに忌まわしい言葉を口にすることはあるだろうが、良識ある毎日新聞が、悪しき言葉を蔓延させて、後世に伝えるのは、何としても、避けて欲しかったものである。
少なくとも、毎日新聞には、随一の全国紙としての品位があると信じているのだが、こう取りこぼしが多いと、次第に信頼が失われるのである。校閲しない紙面など、届けて欲しくないものである。
わかりきったことだが、「リベンジ」は、血なまぐさい報復であり、太古以来、各宗教の教えで厳重に禁じられている。ところが、背教者が蔓延させ、継承しているのである。世に絶えないテロは、報復の連鎖である。少なくとも、毎日新聞社が気づいていないはずはないのだが、なぜ、紙面から消えないのだろうか。これでは、日本人は、復習賛美者の集団になるのである。
今回、未来あるアスリートの業績と今後の努力に、泥と血糊を塗りたくった報道は、何とも、おぞましいのである。毎日新聞は恥を知るべきである。
是非とも、少なくとも、毎日新聞の紙面から「リベンジ」が永遠に消え、その背景として、一人一人の記者が報道現場で、選手達に親身になって、この呪わしい禁句の撲滅を指導する姿を見たいものである。言葉は、どの時代にも本来の意味を知らないものが、無残に乱していくものであるが、全国紙は「言葉の護り人」となって、悪質な言葉の蔓延を防止して欲しいものである。
このブログの一連の記事は、燃えさかる山火事に、柄杓で手桶の水を振りまくにも及ばない無力なものかも知れないが、それでも、言わずにいられないのである。
以上
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