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2021年11月 1日 (月)

新・私の本棚 新版 塚田 敬章 「魏志倭人伝から見える日本」 2 サイト記事批判 15/16

 塚田敬章 古代史レポート 弥生の興亡 1,第二章、魏志倭人伝の解読、分析
私の見立て ★★★★☆ 必読好著 2020/03/05  記2021/10/28

b、倭人の南方的風俗とその文化
《原文…其風俗不淫……貫頭衣之種禾稲紵麻……其地無牛馬虎豹羊鵲 兵用矛盾……竹箭或鉄鏃或骨鏃 所有無與儋耳朱崖同……穿中央為貫頭 男子耕農……山多麖麈……食飲用籩豆 手食

コメント:幻の食卓
 氏は、隋書俀国伝の風俗記事を、あたかも、7世紀初めの飛鳥時代の飛鳥風俗と思い込んでいるようですが、圏外なので論評しません。

 当時の中国では、食卓はあったものの、一般的には手づかみが多かったと思うので、別に、手づかみを野蛮と言っているのではないのです。むしろ、籩豆は、中国古代の礼にかなっているもののようです。
 「文化」は、中国の礼にしたがっていることを言うので、無文の国は圏外です。

《原文…其死有棺無槨 封土作冢……挙家詣水中澡浴 以如練沐

コメント:封土作冢
 ここは、後出の卑弥呼葬送の段取りと重なるのですが、無造作に飛ばしています。「封土作冢」とは、棺を地中に収めた後、土で覆い、盛り土の「冢」とするとの意味であり、墓誌もなく石塚ともせず、簡素なものとわかります。

《原文…其行来渡海詣中国……謂其持衰不勤 出真珠青玉……有獼猴黒雉
《原文…其俗挙事行来…… 視火坼占兆 其会同 …… 人性嗜酒
 魏略曰 其俗不知正歳四節 但計春耕秋収 為年紀
《原文…見大人所敬 …… 其人寿考或百年或八九十年

コメント:加齢談義
 「暦や紀年を持たない倭人に、正確な年齢が解るのかと裴松之が首をかしげた」とありますが、時に、弁舌力が余ってか、古代人の心理を深読みする例がままありますが、素人としては、遺された史料から、よく、裴松之の意見がわかるものと感心しています。
 私見では、陳寿が史料とした採用しなかった魏略にこのような表現があるから、補追した方が良いのではないかとの提言のように見えます。

 古来、毎年元日に全員揃って加齢する習わしであり、別に年齢を数えることに不思議はなく、文字がなく記録文書がなくても、何か目印でも遺していれば、自身や肉親の年齢はわかるのです。

 これは、春秋の農事祝祭に因んで、それぞれ加齢したとしても同様です。そのような習慣があれば、そのように記憶されるまでです。

*識字力、計数力~地域住民管理
 但し、百に近い数字まで適確に認識するには、当時としては大変高度な教育訓練が必要です。一般住人が、幾つまで数えられたか不明ですが、三、五、十までが精々というものが大半の可能性があります。氏の示唆に拘わらず、各人が自身の年齢をちゃんと数えられたという保証はありません。
 恐らく、聚落の首長が、「住民台帳」めいた心覚えを所持していて、その内容を参照して、世間話として回答したのでしょう。戸籍調べは、徴兵、徴税の前提であり、容易に本音を漏らすものではないのです。

*戸籍を偽る
 例えば、戸籍上に老人が多く若者が少ないとすれば、戸数に比べて動員可能人員が随分少なく担税能力が低いことになり、徴兵、徴税が緩和されます。ます。未開、無文と言っても、無知ではないので、首長を侮ってはなりません。

                                未完

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