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2021年11月 1日 (月)

新・私の本棚 新版 塚田 敬章 「魏志倭人伝から見える日本」 サイト記事批判 3/5

 塚田敬章 古代史レポート 弥生の興亡 1,第一章、邪馬台国か邪馬壱国か
私の見立て ★★★★☆ 必読好著 2020/03/05            2021/11/01

*奈良県と大和
 塚田氏の郷土愛は尊重しますが、現実の奈良県は、奈良盆地が北の半分で、南半分は広大な山林であり、「大和」と「奈良県」を同一視するのは、無理のように思うのです。塚田氏の地名感覚の曖昧さを憂うのです。

 郷土愛の口を挟まれてご不快ではありましょうが、用語の選択にご再考を望む次第です。

2、邪馬台国か邪馬壱国か
*コメント~文書形式論義
 まず、倭人伝ダメ出しの定番を言うと、「倭人伝」は、中国で言う「書」、現代風の「本」ではなく、古代史で言う「条」、つまり、単なる一部分に過ぎないのです。用語の混乱を戒める苦言であり、謙虚に受け止めるべきです。

 現存史料の小見出しについての論義で、「古く」は、と言うのは、恐らく紙以前、短冊状の簡牘条を革紐で連ねて、巻物にした形態が念頭にあるのでしょうが、その場合、小見出し行は一条占拠するので、厳に避けたでしょう。

 元々は、巻物減量のために、小見出し以前に、改行も極力控えていたのです。魏志巻物は現存していませんが、各種遺物の有り様を見、実際の巻物製作の手順を想定すると、そのように考えるのが、合理的と思えるのです。

 魏志に「倭人伝」のような小見出しが付いたのは、恐らく、簡牘巻物から紙巻物に、そして巻物を解して冊子とした時代を歴た「北宋」代でしょう。

 伝統的に重厚な巻物を廃して、歴年の耐久性に疑問のある紙冊子にしたのは、ページ単位で木版印刷する「製本」工程に合わせたのでしょうか。

*冊子形態の発祥
 北宋代に初めて木版印刷された「刊本」魏志は、持ちごたえのある簡牘巻物三十巻から、薄手の冊子三十冊となり、倭人伝は第三十巻末尾に位置する数ページに収まったのです。

 巻末は、裴注補追の魚豢「魏略」西戎伝であり、魏志「西域伝」は空席なので、「魏略」西戎伝は、魏志「東夷伝」~「倭人伝」の末尾と言わざるを得ないのです。

*北宋刊本の意義
 北宋代の印刷本「北宋刊本」は、帝室所蔵の原本の忠実な複製、つまり、完全に同一の魏志が、数量限定、配布先厳選とは言え、全国に配布・支給されたという画期的なものであり、各地では、配布された完本をタネに、多数の写本が起こされ、それまでの「野良」写本が駆逐されたのです。

 さて、現存有力史料「紹熙本」と呼ばれる、現代風に言う「版」は、恐らく、旧蜀漢領 成都近郊の蔵書家が、北宋「刊本」から独自写本を行う行程で、恐らく分担写本の手違いを防ぐために、タネ本の上部空白部に朱記したものが、本文に取り込まれたもののように思います。実は、南宋刊本のもう一つの「紹興本」には、小見出しはないので、小見出しは、特別な例外とみるのです。

*「紹熙本」の意義
 因みに、「紹熙本」の印刷本が「出版」できたのは、皇帝の代替わり改元後で「紹熙」刊本ではないとの異議がありますが、「紹熙本」は、紹熙年間で原稿校正が完了した確定稿を指すのであり、紹熙年間に確定した「版」として、「紹熙本」と呼ぶのが適正と見る提言があり、過去、「紹熙本」と言い慣わされていた由来と思われるので、場違いな異議は却下した方が良いようです。

                                未完

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